IE9ピン留め
(君は永劫回帰を信じるのか?)
タルコフスキーは遺作にニーチェの名を出している。

http://www.youtube.com/watch?v=FcBzwWYUdnU&t=5m45s




「時々奇妙なことを考えるんです
例えばあの小人です
ニーチェが書いてるじゃないですか
ツァラトゥストラを気絶させた奴です

(ニーチェを知っているのか?)

会ったことはありません
勉強したわけじゃないんで

時々妙なことが頭に浮かびます
永劫回帰のような

(君は永劫回帰を信じるのか?)

ええ時には信じます」


追記:



「僕はすっかりびっくりして、うっとりしているんだ! 僕には先駆者がいるのだ、なんという先駆者だろう! 僕はほとんどスピノザを知らなかった、僕がいまスピノザをもとめたというのは、ひとつの「本能的な行為」であったのだ。彼の傾向がすべて、――認識をもっとも力づよい情熱とする――僕の傾向にそっくりというだけではない。彼の説の五つの主要な点に僕は僕の姿をみたのだ。この最も異質な最も孤独な思想家は、まさに僕にもっとも近い、――彼は意志の自由を否定する、目的を、道徳的世界秩序を、非利己的なものを、そして悪を否定する。………つまりだね、高い高い山に登った時のように、ときどき僕の息を詰まらせたり、僕の血を流させたりした僕の孤独が、少なくともいまは、二人連れの孤独なのだ――ふしぎだね!」
(ニーチェ。1881年、オーヴァーベック宛て書簡。ちくま文庫ニーチェ全集別巻1上500頁より)

ヨベル『異端の系譜』によれば、のちにニーチェの力への意志がスピノザのコナトゥスに、運命愛が知的愛に対抗して提出される。
# by yojisekimoto | 2012-01-31 00:08 | ニーチェ | Trackback | Comments(0)
ガンジーの遺言:再送



今から64年前の1948年1月30日午後5時、ガンジーは対イスラム強行派のヒンズー教徒の青年に暗殺された。ガンジーの遺稿詩として知られるものもあるが(※)、あまり知られていないものとして、ガンジーが死の前日に提出した新たなインドの組織案がある。


ガンジーは国民会議派を協会(サンガ)に移行させようとしていたのだ。
それは具体的には70万ある農村に成人男女5人ずつのパンチャーヤト(語意は五人会議というインド農村の昔ながらのグループ)を作り、さらに二つのパンチャーヤトは指導者を一人互選する。そして選ばれた50人の指導者からさらに指導者が選ばれ、200のパンチャーヤトは100づつの平行するグループとなり、このようなグループがインド全土をおおうことになる。各指導者たちはそれぞれ手紡ぎ綿布着用義務をもち、名簿管理などを行う。さらに全体としての協会は、手紡ぎ綿布、農業、教育、人権、動物愛護といった5つの支部を持つ、というものだ(みすず書房『わたしの非暴力2』)。

こうしたガンジーの案はその後、必ずしも現実化されたわけではないが、この案から小さな単位を大事にするガンジーの理念はよく伝わる。
特に出発点に二つの5人会議から互選で指導者を選ぶあたりが、ガンジーはイスラム教とヒンズー教といった政治レベルの対立をミクロレベルで解決するモデルを作ろうとしていたのではないかと思わせて興味深い。
(興味深いのは活動家は村民と「個人的な接触を持つこと」=「顔見知りになること」が求められていることだ! 上記書籍『わたしの非暴力2』p328、あるいはレグルス文庫『非暴力の精神と対話』74頁参照。後者ではその活動家は「平和部隊(シャンティ・ダール)」と呼ばれている。)

ガンジーが実践した手紡ぎ車(チャルカ)などは、自立分散的生産システムによる対抗手段だったし(地湧社『ガンジー自立の思想』)、聖人視されるか逆に軽視される傾向にあるガンジーは実に経済的にも政治的にも現実的な視点を持った人だったのだ(塩の行進も必需品を自国で生産したいという経済的根拠を持っていた)。また、今日的にガンジーの考えを応用するならば、コンピューターなども自立分散的に活用可能なものだと思う。

このように、ガンジーの遺志は私たちに託され、その実現へ向けた試みは今現在もまだ続いていると考えた方がいいだろう。

追記:

「わたし自身の体験から集約したいくつかの規約」

(一) 隊員はいかなる武器も所持してはならない。
(二) 平和部隊の隊員は容易に見分けがつくよう配慮すること。
(三) 全隊員が応急処置にあたれるよう、包帯・はさみ・針と糸・外科用ナイフ等を所持すること。
(四) 隊員は負傷者の運搬や移動の方法を知っておくこと。
(五) 隊員は、消火の方法ならびに、火傷を負わずに火事場に入る方法、また、荷物のあるなしに関係なく救出作業のために高い塀をよじ登り、無事に降りる方法を知っておくこと。
(六) 隊員は受け持ち地区のすべての住民と顔見知りになること。このこと自体、一つの奉仕である。
(七) 隊員はたえず心に神の御名(ラーマヤーナ)をとなえ、信仰をいだく多の人びとにもそうするよう勧めること。

一九四六年四月二十六日 ニューデリーにて (「非暴力の義勇隊」『ハリジャン(神の子)』一九四六年五月五日号)
(『非暴力の精神と対話』73−4頁)


ガンジーの死の3ヶ月前に書かれた詩として知られているものに以下がある。

 束縛があるからこそ
 私は飛べるのだ
 悲しみがあるからこそ
 高く舞い上がれるのだ
 逆境があるからこそ
 私は走れるのだ
 涙があるからこそ
 私は前に進めるのだ

   マハトマ・ガンジー 〔遺言詩〕
# by yojisekimoto | 2012-01-30 05:00 | 研究 | Trackback | Comments(0)
ドゥルーズ『差異と反復』:メモ
ドゥルーズ『差異と反復』はカント体系と同じ構図で図解できるが、ミンコフスキー時空図のようになっているのがミソだ。時間性の部分(斜線枠内上下)で肯定的な哲学者を扱っている。
序論で全体の構成が明らかになるが、それが全体で反復される。
ハイデガーからカント、ライプニッツ、ニーチェ、を通ってスピノザへ、というのが全体のプログラムだ。潜勢的なるもの=実在論の復興の書と言える。
以前書いたものは三角形を基本としたが、カントに倣って四角を基本としてみた。)

  0=はじめに、序論:反復と差異
  1=第1章:それ自身における差異
  2=第2章:それ自身へ向かう反復
  3=第3章:思考のイマージュ
  4=第4章:差異の理念的総合
  5=第5章:感覚されうるものの非対称的総合
  6=結論:差異と反復

          時   間 
 __________反 復__________
|\          |          /|
| \         |         / |
|  \    6結論 |  2     /  |
|   \   スピノザ|ベルグソン  /   |
|    \      |(フロイト)/    |
|     \     |     /     |
|      \    |    /      |
|  5    \   |   /    1  |
| ニーチェ   \  |  /  スコトゥス |
|         \ | /         |
|          \|/          |空
|_____ドゥルーズ『差異と反復』______差
|          /|\    |    /異
|  4      / | \(6)|(2)/ |間
| ライプニッツ /  |  \  |  /  |
|       /   |(5)\ | /(1)|
|      /    |    \|/    |
|     /     |____0、1____|
|    /   3  |    /|\    |
|   / プラトン  |(4)/ | \   |
|  /  デカルト  |  /  | はじめに|
| /   カント   | /(3)|ハイデガー|
|/    ヘーゲル  |/    |    \|
/___________/_____|_____\

第五章ニーチェの永劫回帰を空間的問題だと解釈した。
『差異と反復』が、絶え間ない現在へいたる運動だということがわかる。
なお、第四章ラストに時-空への言及があるが、あくまで生物学モデルで、ミンコフスキーの名はない。


似たようなことを考えている人がすでにいた。
Deleuze And Guattari's Philosophy of History (Continuum Studies in Continental Philosophy)[ハードカバー]
Jay Lampert (著)

http://books.google.co.jp/books?id=gwLkgjn-A3sC&pg=PA34&dq=minkowski+time+deleuze&hl=ja&sa=X&ei=TuggT7jAEOyQiAe0--j6BA&ved=0CDUQ6AEwAQ#v=onepage&q=minkowski%20time%20deleuze&f=false

一見対極に見える、ベルグソンの知覚概念図とミンコフスキー時空が似ていると言うことはすでにいろいろな人に指摘されている。


または、
          時   間 
 __________反 復__________
|\          |それ自身へ向かう反復/|
| \         |   2     / |
|  \ 6結論    |        /  |
| 差異と反復     |ベルグソン  /   |
|    \スピノザ  |(フロイト)/    |
|     \     |     /スコトゥス|
|  ニーチェ\    |    /      |
|  5    \   |   /  1    |
|感覚されうるもの\  |  /それ自身における|
|の非対称的総合  \ | /       差異|
|          \|/          |空
|_____ドゥルーズ『差異と反復』______差
|\    |    /|\          異
| \(6)|(2)/ | \    4    |間
|  \  |  /  |  \差異の理念的総合|
|(5)\ | /(1)|   \ライプニッツ |
|    と差異    |    \      |
|__0、1序論____|     \     |
|    反復\    |      \    |
| (0) | \(4)|   3   \   |
|はじめに |  \  |思考のイマージュ\  |
|ハイデガー|(3)\ |プラトン、デカルト\ |
|/    |    \|カント、ヘーゲル  \|
/_____|_____\___________\


あるいは、
          時   間 
 __________反 復__________
|\    |    /|それ自身へ向かう反復/|
| \(6)|(2)/ |  2      / |
|  \ 6結論 /  |        /  |
|(5)差異と反復(1)|ベルグソン  /   |
|    \スピノザ  |(フロイト)/    |
|_____|_____|     /スコトゥス|
|  ニーチェ\    |    /      |
|  5/ | \   |   /    1  |
|感覚されうるもの\  |  /        |
|の非対称的総合  \ | それ自身における差異|
|/    |    \|/          |空
/_____ドゥルーズ『差異と反復』______差
|\    |    /|\          異
| \   |   / | \   4     |間
|  \  |  /  |  \差異の理念的総合|
|   \ | /   |   \ライプニッツ |
|    と差異    |    \      |
|__0、1序論____|     \     |
|    反復\    |  3   \    |
| (0) | \(4)|思考のイマージュ   |
|はじめに |  \  |プラトン、デカルト  |
|ハイデガー|(3)\ |カント、ヘーゲル \ |
|/    |    \|          \|
/_____|_____\___________\

          時   間 
 __________反 復__________
|\    |    /|それ自身へ向かう反復/|
|/\(6)|(2)/ |  2      //|
|//\ 6結論 /  |        ///|
|(5)差異と反復(1)|ベルグソン  ////|
|////\スピノザ  |(フロイト)/////|
|_____|_____|     /スコトゥス|
|//ニーチェ\    |    ///////|
|//5//|/\   |   /////1//|
|感覚されうるもの\  |  /////////|
|の非対称的総合//\ | それ自身における差異|
|/////|////\|///////////|空
/_____ドゥルーズ『差異と反復』______差
|\////|/////|\//////////異
|/\///|//// | \///4/////|間
|//\//|///  |  \差異の理念的総合|
|///\/|//   |   \ライプニッツ/|
|////と差異    |    \//////|
|__0、1序論____|     \/////|
|////反復\    |  3   \////|
|/(0) | \(4)|思考のイマージュ///|
|はじめに |  \  |プラトン、デカルト//|
|ハイデガー|(3)\ |カント、ヘーゲル \/|
|/    |    \|          \|
/_____|_____\___________\

「差異は現象(フェノメノン)ではなく、現象にこの上なく近い可想的存在(ヌーメノン)である。」(第五章冒頭部分)

____________

参考:

////\    時間的    ///////
/////\    |    ////////
//////\  未来   /////////
///////\  |  //////////
////////\ | ///////////  
____ 空間的_\|/_空間的(=物自体?)/___         
//////////|\///////////
///////// | \//////////
//////// 過去  \/////////
///////   |   \////////
//////  時間的    \///////

ミンコフスキー時空図
参照:湯川秀樹『物理講義』

# by yojisekimoto | 2012-01-26 14:48 | ドゥルーズ | Trackback | Comments(2)
『旅芸人の記録』
疑惑のバイク事故によって亡くなった、テオ・アンゲロプロスの代表作『旅芸人の記録』より。
町のごろつきがファシストに転向する様子をワンカットで描いている。右傾化するギリシア史が象徴的に描かれる。
そのカメラは特異点を示すが故に特権的な一元論に誤解されるくらいはあったが、、、
ゴダールはテオ・アンゲロプロスがいることでギリシアは文化大国だわかると断言していた。
# by yojisekimoto | 2012-01-26 00:04 | 映画 | Trackback | Comments(1)


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