フェルガナ運河

昨日深夜NHKで中村哲医師のドキュメンタリーを見てエイゼンシュテインの映画の企画(シナリオ)、フェルガナ運河を思い出した。
後者はアフガニスタンではなく中央アジアが舞台だが。
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# by yojisekimoto | 2016-10-08 19:17 | 映画

ヨハン・クライフ(1947~2016) その可能性の複数の中心

ヨハン・クライフ(1947~2016)
その可能性の複数の中心



クライフターン、トータルフットボール

その可能性は複数の中心を持つ



クライフのすごいところはポジショニングだ。

1974年のブラジル戦、西ドイツ戦のビデオで見たとき、動いて欲しいところにクライフが動いていて驚いた。ゲームで自分が動かしているかのようだった。

つまらない試合もクライフの手にかかると面白くなる。

ユーロで優勝したギリシアを攻撃的に再解釈したのもその一例だ。

今日のバルサもクライフがいなければ至高の存在足り得なかった。

バルセロナやバイエルン、自治と自主管理の伝統とサッカーはともにある。

自分にとってクライフは21世紀最大のアナーキズムの思想家だ。
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# by yojisekimoto | 2016-03-31 22:36 | スポーツ

経済表=フロー循環図:再考

柄谷の交換図をマンキューや西村の経済学の教科書に出てくるフロー循環図と対応させてみた。
(循環図は普通、労働市場を下にするだろうが、上下逆にした。)
二つの需要供給モデルを上下に組み入れたのが味噌だ。図のシンプルさを犠牲にしたが、需給モデルの位置付けは必須になると思い無理やり組み込んだ。
家計と企業は頭と体を捻っている(「意思決定をする」byマンキュー)と解釈して欲しい。
貨幣は左上の国家が発行し起点となっている。すぐ下の図では便宜的に国家ではなく政治学とした。

  政治学 | 宗教
      |(ネーション)
 _____|_____平
  経済学 |  X  等
      |     
     自 由

      労働の需要 生産要素市場 労働の供給  
 お金の流れ------➡︎D  S⬅︎--------- 
  |賃金・地代・利潤 E_\/_均 労働・土地・資本|
  (=GDP)      /\衡点         |
  |  -------⬅︎S  D➡︎-------  |
  | |生産へ         所得(=GDP)| |
  | |の投入                 | |
  ⬆︎ ⬇︎       マクロ /        ⬇︎ ⬆︎
  \ /          /         \ /
  企\業         /          家\計
  / \        / ミクロ       / \
  ⬇︎ ⬆︎                    ⬆︎ ⬇︎
  | |(GDP=) 財・サービス  購入された| |
  | | 収入      市場   財・サービス| |
  |  -------⬅︎D  S➡︎-------  |
  |販売された財   E_\/_均衡点       |
  ・サービス       /\    支出(=GDP)
   ---------➡︎S  D⬅︎---------
        財の供給      財の需要

あるいは(圧縮バージョン)、

  労働の需要 生産要素 労働の供給  
 お金の流れ-➡︎D市場S⬅︎---- 
  |賃金・地代・\/_E 労働・| 
  |利潤=GDP/\ 土地・資本|
  |  --⬅︎S  D➡︎--  |
  | |生産へ    所得=| |
  | |の投入    GDP| |
  ⬆︎ ⬇︎          ⬇︎ ⬆︎
  \ /  マクロ/    \ /
  企\業    /ミクロ  家\計
  / \          / \
  ⬇︎ ⬆︎          ⬆︎ ⬇︎
  | |収入=  購入された| |
  | |GDP 財・サービス| |
  |  --⬅︎D  S➡︎--  |
  |販売された財\/_均 支出=|
  |・サービス /\衡点 GDP|
   ----➡︎S  D⬅︎----
 財の供給 財・サービス市場 財の需要

参照:
マンキュー
 『マンキュー経済学ミクロ』(邦訳第二版35頁)、
○『マンキュー経済学マクロ』(第二版31,128頁,第三版28頁)、
 『マクロ経済学入門篇』(第二版23頁)、
○西村和雄『まんがDE入門経済学』(第二版3頁)

追記:
文字化け、文字ズレについて(コメント欄を改訂):

自分は現在MacbookproとiPadを併用しており、特に使用環境の想定をiPadに特化しています。
多分WindowsとMacで文字コードの扱いが違うので、ブラウザの種類に関係なく、Windowsだと文字化けするか、ズレてしまうと思います。
自分としては今後Windows使用者のためにWindowsを購入して改訂してゆく必要があるのですが、
そうすると今度はMacで見たときにズレてしまいます。
多分Macだけでも調整方法はあるのでしょうが、、、

応急処置として、図の画像キャプを以下に載せておきます。これだと訂正及び閲覧者による自由な変更が難しくなるのですが。

a0024841_21392566.jpg
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# by yojisekimoto | 2015-05-10 01:07 | 柄谷行人

弁証法の拒絶=ゴダール『さらば、愛の言葉よ』:メモ

ゴダールの3Dは、ドゥルーズがゴダール作品の特質として最初に指摘した、弁証法の拒絶の結実だ。映画内の章にも1(隠喩)と2(自然)はあるが3はない。エイゼンシュテインがその立体映画論において未来に存在を楽観視した民衆のための広場はそこにはないが、未来の代わりに現在がある。子供の代わりに犬がいる(デリダへの応答は珍しい)。

夫婦から生まれる赤ん坊の隠喩はヘーゲルの弁証法のプロトタイプだが、ゴダールは音だけで処理する。
想像力がある者は現実に頼らない、ということだろう。

未来はないと言ったが、前半仕切りに流れるスラブ行進曲(音楽ではなく音への遡行、むしろ数学への傾倒)は、プーチンの暴走を予言している。ゴダールはプロセスをそのまま作品にしているが、未来を予言しているところもある。例えば、『ソシアリスム』冒頭に出ていた経済学者はシャルリーへのテロに巻き込まれて2015年に殺されている。

左右のカメラをわざとズラすシーンは2箇所。ともに男女の乖離を描いているが、すぐに元に戻る。モンタージュされないのだ。2Dではどういう処理になるのだろうか?
ちなみに同じく視差を扱って成功しているのは宮崎駿の風立ちぬ(冒頭メガネのシーン)くらいだろう。

3Dの効用は、望遠が使えず、画角が一定になり、人物に近づくしかなくなるために、かえって被写体が生き生きしてくることだ。

邦題が不評だが、ハードボイルド小説を踏まえた命名はこれまでのゴダール作品の流れからは正しい。しかし今回はもっと素のゴダールが出ている。
引用群はここではない何処かではなく(アフリカが記号的に使われるが)、日常を異化効果によって蘇らせる。『ソシアリスム』にあった資本への視点は消え、自然への視点が増えた。映画の引用は素材が3Dではないからか後退しており、それがいい方向性を示している。『リア王』の時のソニマージュ(における実験の体験)を立体映画でやり直している観がある。もっと私小説的なのだ。

政治的問題は男女間の問題(排泄と平等及び『アリア』的女性の叫びの変奏)に二重写しされる。
ゴッホの点描を見た後のような視覚の広がりを歴史的にゴダールは我々にもたらした。
普通の日本語字幕が浮き出て見えることで映像と観客との溝は広がるのだが、その溝が心地よい。

弁証法の拒絶は、同一化への希求の表れ(キリーロフ)でもある。

_______

以下、参考サイト:

動物を追う、ゆえに私は〈動物で〉ある (単行本): ジャック・デリダ, マリ=ルイーズ・マレ, 鵜飼 哲: 本
http://www.amazon.co.jp/dp/448084743X/
内容紹介
猫に自らの裸を見られた体験から始まる講演など4編を収録。デカルト、カント、レヴィナス、ラカン、ハイデッガーを辿り直し、動物と人間の伝統的な対立関係を考察する。
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# by yojisekimoto | 2015-03-28 22:26 | 映画