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Bach - St. Matthew Passion


NHKのスコラvol.1バッハはなかなか面白かった。

さて、
1968年に五月革命。
1848年に二月革命。
1728年は??? 

柄谷の120年周期説に従えば1728年にも反システム運動=革命があったはずだ。

ちなみに場所も違うし、120年周期と一年ズレるが1727年(1729年説あり)にはバッハのマタイ受難曲が初演されている。

むろんアガンベンの言うように政治と文化は分離させて把握する必要があるにしても、アソシエーションならぬ交響体としてマタイ受難曲は今日に至るまで西欧文化における最高峰であろうし、タルコフスキーの遺作でも引用されたこの曲は(上のライブ映像から音声だけ使用された)、その後の革命と出来事としての強度は引けを取らないと思う。



ジジェク『パララックス・ヴュー』(p.61)でも論じられていたのだが、ドイツの宗教改革(プロテスタント化)をフランス革命と並んで、あるいはそれを先駆けるものとして評価する人がいるそうだ。
ジジェク(およびRebecca Comay)はそれとは違ってカントの理念や政治的革命を評価するのだが、バッハはドイツ宗教改革の文化的なモデル(政治的にはルターやミュンツァーなのだろうが)と考えることも出来る(ドゥルーズが指摘するように思想的にはライプニッツに近い)。
むろんその場合ベートーベン*(こちらはカントに近い)もその延長上にあると考えられる。

*第九の初演は1824年。約120年後の1945年には第二次大戦が終結している。
by yojisekimoto | 2010-04-20 17:44 | 音楽


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