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William Forsythe


‥…フォーサイスのソロも、それ自体として驚くべきパフォーマンスだ。彼自身が言うように、そこでは
彼の身体言語があまりに急速かつ柔軟に展開されていくため、われわれの目ではとても分析しきれない。
それでも、先にあげた「複雑な動き」のようなレクチャー・デモンストレーションを見直してみると、そ
れを極限まで突き詰めていったところにこのソロが成立していることがわかってくるだろう。

William Forsythe - Solo

浅田彰
フォーサイスの現在 『波』新潮社2000.7
http://www.kojinkaratani.com/criticalspace/old/special/asada/techo12.html

William Forsythe: Improvisation Technologies

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追記:

今日の空間を考えるためのヒントを得るためには、長大なパーフォーマンスの数
数に付き合うより、例えば、伊藤高志の<SPACY>(一九八一)というわずか十分
のフィルムを一本みる方がはるかに有益だという結論に達したとしても、それは
決して単なる気まぐれのせいではない。(略)我々は《クラインの壺》の中を猛
烈なスピードでひきまわされ、フリッカーに眼を灼かれつつ、極限状態に接近す
る。(略)ほとんどフラフラになって外へ出てきた観客は、そこに静止した堅固
な空間を見出して安心しようとするだろう。けれども、そこにある現実こそ、今
みたフィルムにもましてめくるめく流動であること、際限のない《クラインの壺》
の運動であることを、我々はすでに見てしまったのだ。

『構造と力』205-6頁
by yojisekimoto | 2010-09-09 15:07 | 研究


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