以前ヘーゲルの『自然哲学』草稿に描かれたスケッチについて書いたことがある。
http://yojiseki.exblog.jp/6013122/
マラブー『ヘーゲルの未来』*の冒頭で紹介されていたものだが、もう一度考え直してみた。
以下、「ヘーゲルの自然哲学草稿の素描」(英語版『ヘーゲルの未来(The Future of Hegel)』表紙より。
Naturphilosophie und Philosophie des Geistes.Felix Meiner Verlag, Philosophische Bibliothek, Bd 333, page 113
結論から言えば、中央の「U」は「否定性」(Negativitätで頭文字はNになってしまうが)と解釈すべきだったということだ。
否定性(有機体にとっては非有機体)を内側に持たない、類。
否定性を内側に持つ、種。
否定性を育てる、個。
ということになる。
*以下、『ヘーゲルの未来』p20より、スケッチの描かれた部分の草稿文。
「有機的なものの推論」
類はここでは有機的なものの側に立つ/ーー結論は、類は非有機的なものと直接に合一されるということである。ーー個体は自分自身を食い尽くす。排除することのない分裂。有機的なもののそれ自身との関係。/個体は自らの無機性を止揚し、自分自身から栄養を摂取し、自らを自分自身へと分岐させ、自分の普遍を自分の諸職別へと分裂させる。これが個体自身における過程の推移である。
訳注
☆1『自然哲学(下)ーーヘーゲル哲学体系初期草稿(三)』本田修郎、未来社、1984年、212頁。なお、同様の表現は『自然哲学(下)』、第342節補論、476頁にみられる。