映画評:『ボブ・ディランの頭の中』

原題は『仮面をつけた者と匿名者』の意。

シナリオ執筆者はディラン本人であることが出演者の証言で分かっている。
ユニオン規定の最低のギャラでスター俳優が多数出演しているのも見どころだし(原題の由来?)、ツアーを通じて成熟したバンドをバックにした演奏を楽しむのが正解だが(ボーナス映像がうれしい↓)、ストーリー的にも興味深い。

何よりも(ネタバレになるから詳細は伏せるが)自分自身を罰を受けるべき罪深い存在と考えていることが重要だ。そして、誰も指摘しないがこのストーリーはジャン・ジュネ『バルコン』の影響下にある(ディランは自伝でジュネの『バルコン』を絶賛している)。

娼館で倒錯の劇が演じられている間にも外では革命の嵐が吹き荒れている、というジュネのストーリーは、テレビ局スタジオに舞台を変えている、、、

要するにストーリーは『ボブ・ディランの頭の中』が外部に開かれることを描いているのだ。

また、視覚的には『地下室』のジャケットの雰囲気が原型となっている。

評価の難しい映画だが、この作品はテレビ放送で楽しむのがストーリー的にも正しいかもしれない。

追記:
ディランの新作プロモ

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by yojisekimoto | 2009-11-30 00:33 | 映画


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