カテゴリ:地域通貨( 9 )

地域通貨体験ゲーム・シナリオ:再送

以前、別ブログで投稿したものを再送します。
希望者がいれば(スカイプ、お絵描きチャットが必要ですが)遠隔地の方にもノウハウをシェアいたします。
ノウハウを受け取った方は、それぞれの各地域で対面で身近の方にゲームを披露していただきたいです。

ちなみに、
           /\
   _   _  /_ WEBネットワーク
 _|_|_|_|/|_|/_
| |地| |地| |地|  |
|_|_|_|_|_|/|_関心別
  | |/| | / | ネットワーク
 _|_/_|_|/|_|__
| |域| |域/ |域|  |
|_/_|_/_|_|_|_年代別
 /|A|/|B| |C| ネットワーク
/ |_| |_| |_|
\  /
 \/
上記図でいえば、今のコミュニティは多様性が失われていますから、遠隔地からネット(WEB)を通じて方法論をシェアする必要があります。
多様性(様々な関心別、年代別のクラスタを持つ)を外から学ぶ形になりますが、主体はあくまで地域住民です。

以下再送です(固有名も改変していません)。
______________________________

地域通貨の集い&バザールで恒例となっている地域通貨体験(LETS)ゲームのシナリオを以下、御紹介します。本来レインボーリング代表の安部芳裕さんが考案したものですが、独自にアレンジし、非営利を前提に使用させていただいているものです。
/////////////////////////
シナリオ・地域通貨(LETS)体験ゲーム
 用意するもの:ペン(人数分。各自用意してもらえばよい)、付箋(看板の代わり)、おもちゃのお金(100円券×5×人数分)、通帳(各自に罫線を書いてもらってもいい)、画用紙(グラフを書くためだが、あくまでオプション)
(5から10人のグループに分かれる。名札とおもちゃのお金を各自500円分づつ渡す)
これからみなさんに利子のある取引の実例と地域通貨のなかでも通帳式の取引を体験してもらいます。このゲームはここにいる方々が親睦を深めることも目的の一つです。よろしくお願いします。私は銀行役をする【  】です。名札に看板代わりにして、店をもったつもりになって、取り引きしてください。
 ただし、あとで元本500円プラス利子を20パーセントいただきます。
(各自取引する)(2)
 では利子をいただきます。
払えない人は店を没収、つぶれてもらいます。(名札とお金を没収。エーという声が聞こえたら)この椅子取りゲームのようなことは今銀行が商店や中小企業に対して実際に行なっていることです。
                 
 つぎに利子のつかないシステムを紹介します。(リストと通帳を渡す)
リストに売りたいものを書い下さい。実際にできることがいいです。自分に何ができるか考えるいい機会にもなるので。
品目と値段が互いに決まったらサインを通帳に書きあってください。取引が成立後、「アミーゴ(男性の友達へ)」「アミーガ(女性の友達へ)」と言い合って返事してください。
(各自取引する)(1)
 普通の地域通貨ゲームではここで終わるのですが、今回は次に、通帳に記入する手間を半分にする、つまり買う側だけが記入するやりかたを紹介します。先程の例は利息を取らないので誰もつぶれませんが、通帳を各自が管理するのが大変です。会員が50人までの規模でしたら、一人め人に通帳を管理してもらえば簡単です。(一人が手を挙げる、手形を配る)実は先程の例は通帳の情報を各自が管理したうえでさらにコンピューターやFAXで管理者に送らなければなりませんが、次のやり方は情報を送ることを簡単にできるやりかたです。
                                    
 手形に名前(IDとサイン)と値段をサービス内容を書いて、売ってくれた人に渡します。受け取った人は管理する係の人に取引きく市場)が終わったあと渡します。自分の番号の記入された封筒に入れていただけると分かりやすいです。通帳にマイナスの人はマイナス、プラスの人はプラスと係の人が記入します。
(取引後、管理者は半券を回収し、数字とグラフを画用紙に記入)
 一番稼いだ方は?(反応)先程の銀行のように利益を持ち逃げしませんよね。マイナスの人は?
(反応)マイナスの人でも取り立てられることばありません。これは全部合わせるとプラスマイナスゼロで利子はつきませんし、循環型の社会が出来ると言われています。
 ただ、定期的な市場を開くことが管理者には要求されます。
 これは利子を取らないので誰もつぶれません。さきほどおこなった通常の記帳式(LETSと言いす)は各自が通帳を管理しますが、会員が50人までの規模でしたら、操り返しになりますが一人の人に通帳を管理してもらえば簡単です。
 この方式は、シントラルといって、南米エクアドルで自国の通貨がなくなりドルだけこなった状況で、実際に行われているシステムです(3)。ゾクゾクはこれをマネしたものです。カフェスローのノートとホームページで通帳を見ることができるようにしてあります。
 また住んでいるお近くで地域通貨を使えるバザールを開きたい方を応援するシステムでもあります。
 このようなシステムがネックレスの輪のように沢山つながって行くといいですね。
 
参考文献:『地域通貨入門』(北斗出版)(2)(この書にRR代表・安部芳裕さんによる地域通貨体験ゲームの原案がある)、『マネー崩壊』(1)、『ピースローソク』(3)、『スローライフ100のキーワード』(3) 
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by yojisekimoto | 2011-02-28 13:00 | 地域通貨

move your money


アメリカで大手銀行から地域銀行に預金を移そうという運動がある。日本でも軍事費に預金が廻されないように銀行を選ぼうというa seed japan による似たような運動があった。動画は『素晴らしき哉人生』(フランク・キャプラ監督)という住宅信用金庫を題材にした映画を引用している。
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by yojisekimoto | 2010-04-07 14:51 | 地域通貨

今こそ地域再投資法を

金融機関に公的資金が導入されようとしているが、自己資本比率を義務づける法律はあるが、地域にお金を回すことに対しては明確な基準がない。
これにはアメリカクリントン政権下で成功した地域再投資法(CRA)を日本に導入することが不可欠だ。
金融アセスメント法と言う名前で提議している学者もいるが、地域再投資法の名前がいいと思う。

参考図書:
誰のための金融再生か—不良債権処理の非常識 (ちくま新書)
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エンデの警鐘「地域通貨の希望と銀行の未来」エンデの警鐘「地域通貨の希望と銀行の未来」
著者:坂本 龍一
販売元:日本放送出版協会
発売日:2002-04
おすすめ度:3.5
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政治家はもっと勉強して、新たなヴィジョンを示してほしい。
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by yojisekimoto | 2008-12-06 00:33 | 地域通貨

エヴァ、ゲゼルの世界通貨案

エヴァと言ってもアニメではなく、ゲゼルのもう一つの代替案、世界通貨のことである。
以下、ゲゼル著相田慎一訳『自然的経済秩序』(ぱる出版p534)より

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「エヴァ」紙幣による国際的交換比率の安定化。貯水池の黒点部分は国民紙幣を示している。それに対し、その斜線部分は「エヴァ」紙幣を示している。

図5の説明 振動が起こった後に連結管の水が自動的に同じ水位に戻ろうとする傾向があるように、国際通貨制度の撹乱が生じた場合、自国の国民通貨を「エヴァ」国際銀行券に連結させている国々の商品価格の全般的水準は、いたる所で同一の水準にとどまろうとするか、またはその撹乱の終焉後自動的にその水準に戻ろうとする傾向がある。もちろん、それは、このようなすべての国で国民的通貨政策が絶対通貨の上に基礎づけられているかぎりにおいてのことであるが。
 もしこれらの国のひとつが絶対通貨の原理を放棄し、しかも危険信号一ー国際(ヴァルタ)銀行券の輸出入一ーに注意を払わなかったならば、その国は国際銀行券で溢れるか(合衆国)、または国際(ヴァルタ)銀行券が完全に国外流出する(イギリス)という事態が生じるだろう。だが、国際(ヴァルタ)銀行券の氾濫は、当該国の利益にはならない。なぜなら、国際(ヴァルタ)銀行券の溢れた国は、この国際(ヴァルタ)銀行券の代わりに発行されるだろう国民通貨の利子を失うからである。また国際(ヴァルタ)銀行券の完全な駆逐も、その結果生まれるだろう不快な打歩が外国貿易に損害を与えるという理由から、当該国に歓迎されないだろう。ドイツと記された容器は通常の状態を示している。国際(ヴァルタ)銀行券の流入を示す下の湾曲部ーー小売取引ーーが半分ほど満たされている。それは、より多くの国際(ヴァルタ)銀行券を受け入れる余地をもつと同時に、多くの国際(ヴァルタ)銀行券を譲渡できる状態を示すものでもある。それに対し、「ロシア」と記された容器の中は国際(ヴアルタ)銀行券で満杯の状態になっている。国民通貨を強力に注入すれば、この過剰はただちに一掃される。逆にイギリスでは、国民通貨の過剰が解消されるならば、国際(ヴァルタ)銀行券の逆流によって打歩がただちに解消されるだろう。
 この過程をより明確に認識するために、読者は前章の「為替理論家」の節とそこでの貿易収支にかんする図4(分度器のような図だが省略:引用者)の説明をも参照されたい。
                      
(略)
            
(4)こうした五フラン銀行券の異常な流入は、自国の国民通貨の流通が過少であることの証拠となるだろう。逆に、こうした五フラン銀行券の異常な流出は、自国の国民通貨の流通が過剰であることの証拠となるだろう。
(5)こうした国際的な五フラン銀行券の大規模な国外流出とその結果としての打歩(国際的な五フラン銀行券のプレミア)の発生は、打歩が消滅し国際的な五フラン銀行券が再び国内に流入するまでの期間、当該国が自国の国民通貨を国内の貨幣市場から排出させることの必要性を示す危険信号となる。
(6)逆に、こうした国際的な五フラン銀行券の異常を国内流入は、自国の国民通貨の流通が過少であることの証拠である。−そのことは、その他の国々が自国の国民通貨の大量の発行によって国際的な五フラン銀行券を国外に駆逐していないことを前提とする。この後者の前提から本来の通貨間題が生まれるけれども、その間題を為替問題と混同してはならない。ーー

われわれは次の章において通貨制度と為替の両者を規制する世界通貨同盟(国際ヴァルタ同盟)についてのわれわれの提案の要旨を示すことにしよう。

第7章 世界通貨同盟(国際ヴァルタ同盟)

(1)世界通貨同盟(国際ヴァルタ同盟「エヴァ」)への加入を希望する国々には、通貨単位としての「エヴア」が導入される。
(2)この新しい通貨単位「エヴァ」は、何らかのひとつの物質(金)の特性の所産のように静態的に理解されてはならず、むしろ通貨政策のような継続的行為の所産として(つまり、実践として)動態的に理解されるべきである。

(以下略)

以上、ゲゼルの国際通貨はユーロよりも柔軟で、なおかつ世界的広がりを持ちうるものと解釈できる。アジアのバスケット型の危機管理に近いかも知れないが、それよりもより明確である。

追記:
1944年ケインズが提案したバンコールもエヴァに近いものだった。
(ただし、いきなり統一通貨ではなく、まず、アジア,アラブ、欧州、北南米でそれぞれの通貨が必要だろうが。)

参考:
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=190764
http://philosopher.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_49cf.html

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by yojisekimoto | 2008-09-24 09:04 | 地域通貨

ゲゼル、自由貨幣についての説明

柄谷行人は『探究2』で、スピノザとマルクスをつなぐ認識のアポリアとして貨幣の無限性に着目していたが、むろんこれらは無際限なものではない。
以下、以前も日記で触れたゲゼルの『自然的経済秩序』(ぱる出版)より

なお、以下の(6)で触れられる「国家間の協調」に関しては、「エヴァ」という新たな通貨構想をゲゼルは持っていたようです(後日ご紹介いたします)。
///////////////

自由貨幣についての説明

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(1)1マルク紙幣、5マルク紙幣、10マルク紙幣、50マルク紙幣、100マルク紙幣、1000マルク紙幣の計六種類の紙幣の自由貨幣が発行される。このような紙幣の外に、四二〇頁の見本に示されているような小額印紙紙幣、つまり郵便切手と同じような印紙が発行される。
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この小額印紙紙幣は、必要升目を剥がすことによって1マルクまでの金額を支払うのに利用される。つまり、この小額印紙紙幣は、1ペニヒ、2ペニヒ、5ペニヒ、10ペニヒそして50ペニヒといった以前の小額貨幣の代わりをする。(それと同時にこの小額印紙紙幣の印紙を六種類の自由貨幣の週ごとの升目に貼ることによって、六種類の自由貨幣は額面通りの支払能力を保持することができる。〈(2)以下を見られたい。〉)またこの小額印紙紙幣は、公的機関での支払いに利用された後は、もはや流通に用いられず、新しい小額印紙紙幣に置換される。

(2)自由貨幣は過ごとに額面価格の1000分の1ずつ、すなわち一年に100分の5減価する。しかもその減価分は自由貨幣所有者の負担となる。それゆえ、彼はすでに言及した小額印紙紙幣を貼ることによっ紙幣の額面価格をたえず保持し続ける必要がある。たとえば四一九頁の100マルク紙幣の場合、八月一〇日までの升目にこのような印紙が全部貼られているならば、彼はそれを100マルクとして使用することができる。もちろん自由貨幣を受け取った人はそのような減価損失を防ぐために、今や可能なかぎり迅速に自由貨幣を他人に譲渡しようとする。なぜなら、彼が自分の無精のためにこの紙幣をたとえば九月一〇日まで保持し続けるならば、彼は5×10=50ペニヒを後で支払わなければならなくなるからである。つまりそうなった場合、彼は自分の小額印紙紙幣から5×10ペニヒの印紙を剥がして、それを100マルク紙幣に貼らなければならない羽目に陥るからである。したがって、自由貨幣のもとでの貨幣流通はすべての者がたえず現金払いをするとともに、債務の返済をすぐに行い、それでもなお貨幣が余った場合には、この余剰貨幣を急いで貯蓄銀行にもっていくという事態、そして貯蓄銀行はこの貯蓄の借手を探すために、必要ならば利子率の引下げをも検討するという事態を生むことになる。

(3)年末にすべての紙幣が新しい紙幣と交換される。

(4)自由貨幣導入の目的は、とりわけ商品に対する貨幣の優位性を打破することにある。このような貨幣の優位性は、例外なく、伝統的な貨幣が商品と比べて頑丈であるという長所から生まれたものである。労働生産物がその保存と維持に莫大な保管費ないし管理費 − それらは、商品が漸次的に減価していくのを緩慢にするけれども、完全に阻止することができないを必要とするのに対し、貨幣所有者は、貨幣素材(貴金属)が有するその物理的性質のために、そのような一切の減価損失や諸費用と無縁である。それゆえに、貨幣所有者(資本家) は、つねに取引に余裕をもつことができる。商品所有者がつねに取引を急ぐのに対し、貨幣所有者はじっと待つことができる。そのため、両者の価格交渉が不成立に終わるならば、その損害はつねに一方的に商品所有者、したがって、最終的には労働者によって負担されることになる。このような状況を資本家は利用して、商品所有者(労働者)に圧力を加え、商品所有者が労働生産物(労働力)を値引販売するよう強いてきたのである。  

(5)通貨局はこの紙幣の兌換を行わない。いったいどうしてなのか。貨幣はたえず使用され続けているために、いかなる究換の必要も生じないからである。それに対し、通貨局に義務づけられていることは、商品の平均価格を固定するために貨幣発行を市況に適応させるという任務である。したがって、物価はもっばら貨幣供給量に依存しているがゆえに通貨局は、商品価格が下落傾向にある場合にはより多くの貨幣を発行し、また反対に商品価格が騰貴傾向にある場合には貨幣を回収する。その際、通貨局によって発行された全貨幣量は即座に商品交換を遂行するというのが、この自由貨幣のもつ性質なのである。それゆえに、通貨局はこれまでのように国民通貨の安定を神秘的な、いわゆる金の「内的価値」に期待するという宿命論的考えにとらわれることもなければ、怠惰な休眠をむさぼりながら、詐欺師、投機家、高利貸が莫大な利益をあげるのを手を洪いて見ていることもなくなる。むしろ通貨局は、これらのことに目的意識的な強力な介入を行うことで、誠実な取引を行う人々をあらゆる危険から守るための機関になる。

(6)外国貿易の大きな意義を考慮するならば、われわれは、為替相場の固定化を実現するための国家間の協調を志向しなければならない。だが、このような協調が達成されるまでは、通貨行政は、貨幣発行の基準を国内価格の固定化に求めるのか、それとも為替相場の固定化に求めるのかという二者択一に直面することになる。

(7)自由貨幣と金属貨幣との両替は、金属貨幣所有者の全面的な自発性に任されるべきである。したがって、金と縁を切ることのできない者は、金を保持し続けてもかまわない。だが、以前の銀がそうであったように、金も自由な鋳造権を奪われへ法律的支払手段としての性格を失う。そして両替期限の終了後は、国庫や裁判所での金貨による支払いが拒否される。

(8)外国での支払いや外国による支払いのために利用されるのは、これまでと同様銀行や商人が外国に輸出した商品の代金ないし外国から輸入した商品の代金として振り出される為替手形である。それに対し、小額の場合には通例郵便為替が使用される。

(9)通貨局は、国内生産物の輸出代金として金をえた者、つまり輸入為替を調達することのできなかった輸出業者から金を購入する。逆に外国商品の輸入代金を支払うために金を利用している者、つまり輸出為替を調達できなかった輸入業者に対しては、通貨局は輸入に必要な金を販売する。その際の金価格は、(6)で未解決なままになっている問題の解決に依存している。

(10)貨幣価格が年五・二%減価するために、流通貨幣量は年々二、三億マルクずつ減少するはずである。だが、そうなったからといって貨幣不足の状態に陥ることはない。なぜなら、通貨局はこの不足額をたえず新発行の貨幣によって年々補充するからである。そしてこの補充は、通貨局にとって規則的な収入の確保を意味する。

(11)通貨行政が確保するこうした収入は、貨幣改革の意図せざる副産物であり、相対的に低い意義しかもたない。この貨幣収入の利用にかんしては、特別な法律的規定が設けられるべきである。


/////////
続いて「自由貨幣の諸結果」も引用させていただきます(b-5の剰余価値への言及が重要だと思いますし、そこで触れられる「自由土地」に関してはゲゼルは「暫定的国家主義」という立場に立っていたと言えるでしょう)。
//////////

 自由貨幣の諸結果

 (a) 商業サイド

(1)貨幣流通の継続性とその結果としての現金払いの増加傾向
(2)商品販売の大幅な増加
(3)商業恐慌や産業恐慌の廃絶
(4)商品価格の全般的下落と相場崩壊(恐慌)をたえず引き起こす諸原因の除去
(5)商品価格や貨幣価格の変動と結び付いたところの、全般的好景気あるいは不況などの景気変動(騰貴期間と下落期間)を引き起こす市況変動の阻止
(6)取引所投機や投機活動の廃絶
(7)取引全般の簡素化と低廉化
(8)ほとんどの小売機関の不要化とそれに対応した商業従業員の商品生産者への移行の増加
(9) これまで商品売上高の30、40%を構成していた莫大な商業経費の、商品売上高の約10〜15%への低下
(10)不合理な保護関税の廃止と自由貿易への移行               
(11)戦争の経済的原因の除去
(12)すべての国民にとって有益な世界貿易のための通貨協定の締結

 (b) 資本、労働そして貸金サイド

(1)貨幣の、利子を生むという性質の喪失とその商品や労働と同等の地位への下落
(2)採算性(剰余価値、収益性)を考慮する必要なしに、すべての余剰貨幣の、生産手段や住居などへの継続的な転換
(3)失業の即時的かつ永続的な除去と産業予備軍の完全な消滅
(4)資本利子(剰余価値) の漸次的低落傾向と世界貿易における自由貨幣導入の場合の、資本利子の漸次的かつ完全な消滅
(5)剰余価値の完全な廃絶にいたるような賃金の漸次的騰貴。だが、土地地代から生まれる剰余価値の廃絶には土地所有権の大改革(「自由地」) が必要となる。
(6)貯蓄の容易化。その理由は以下の三点である。第一に、これまで資本に支払われていた利子負担がなくなるという理由からである。第二に、財生産や財交換(商業)が今や経済不況によって妨げられたり中断されることなしに進展するという理由からである。第三に、以前には労働生産物の30~40%の比率であった商業経費が、今や三分の一に軽減されるという理由からである。
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by yojisekimoto | 2008-08-11 22:09 | 地域通貨

企業間地域通貨

地域通貨にはいろいろあるが、最近話題になっている企業マネーもその一種だろう。下記は消費者を囲い込むためのそれとは違い、企業と企業の間の取引で使われる地域通貨の記事だ。アメリカで1970年代に考案されたもの(「コンスタンツ」*)も伝え聞いたことがあるが、下記はそれよりも大規模のもののようだ。

<物々交換は定義が一定していないので、信頼できる世界的統計を入手するのはむずかしいが、フォーブス誌はこう伝えている。「フォーブス誌五百社企業のうち六十パーセント以上が物々交換を使っていると推定される。ゼネラル・ラインズなどの大企業すら、財やサービスを交換していることが知られている」。フォーチュン誌も、主要な世界企業の三分の二以上が頻繁に物々交換を行っていて、そうした取引を扱う専門部署を設けていると伝えた。
 アルゼンチンでは二〇〇二年に経済危機に陥り、自動車販売が急減したとき、トヨタとフォードが自動車代金を穀物で受け取ることに合意した。ウクライナが巨額の天然ガス代金を滞納したとき、ロシアが代金の一部をTu - 一六〇戦略爆撃機八機で受け取ることに同意した。ロシアは、三十億ドルのストリチナヤ・ウォッカとペプシ・コーラ・シロップを交換したこともある。他国の政府も亜鉛からアルパカ毛織物まで、あらゆるものの物々交換を呼びかけている。>
 アルビン・トフラー他著『富の未来』下(第40章 明日の通貨 ペプシとウォッカ、講談社、p149-150より)

為替リスクに対抗して大企業は、信用と担保で取引を行っているのに、一般の地域通貨は信用と担保が不十分なために、今現在の日本においては不調だ。なぜ大企業に出来て、貧しいひとは団結できないのか?信用を創ることができないのか?その必要性は明らかなのだから、企業間地域通貨を批判的に分析することで、自らに活かすべきだろう。

また、地域通貨がインフレ時に力を発揮し、デフレ時には(法定通貨の流通が急務で)むずかしいということも確かに言えるが、資本主義は複利を基盤にした場合、慢性的なインフレ下にあるのも確かなので、地域通貨の可能性と必要性はやはり大きいと言わざるを得ない。

追記:
同じことがCO2排出権取引にも言える。
インターネットによるマッチングが容易になった現在、個人間でも排出圏取引をおこなってもいいだろう。


コンスタンツに関しては以下も参照した。
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20050923
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by yojisekimoto | 2008-05-19 07:18 | 地域通貨

ゲゼルの減価式貨幣

ゲゼルの減価式貨幣の減価率は『自然的経済秩序』(ぱる出版)によると、一週間で1/1000、一年で5/100だそうだ。
プルードンが商品と労働を貨幣の位置にまで引き上げるといったのを受け継ぎ、ゲゼルは貨幣を商品と労働の位置にまで引き下げたのだが、その論理はわかっても、細かい減価率の根拠は実はわからない。
ちょうどどの貨幣も20年でゼロになる計算なので、これは一世代の期間といっしょである。ここに根拠があるのかもしれない。
実際には流通する紙幣は一年で回収され新札に戻される。その際の差額が貨幣管理者の収入だそうだから大きな政府を目指す場合は原価率を上げるという事例もあり得るのかもしれない。
それでも20年で消える、言い換えれば二十年で世代が入れ替わる紙幣というのも面白い。
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by yojisekimoto | 2008-02-13 21:38 | 地域通貨

地域通貨とグラフ理論

柄谷行人氏も西部忠氏も、スモールワールド(=情報がすぐ伝わる)とスケールフリー(=弱肉強食)のジレンマについて語っている。
ネットワーク社会ではこれらは同時に起こるのだ。

参考:柄谷行人氏書評欄より↓

http://book.asahi.com/review/TKY200504030099.html

<たとえば、自由な市場経済では富は一部に集中するが結局は全体に拡散する、というような見方が今でも強い。しかし、それはまちがいであり、「金持ちほどますます豊かになる」メカニズムを本書は明らかにしている>

参考: 西部忠氏SFC講演より(ビデオ視聴可、画像は下記サイトから)↓
a0024841_338342.jpg

http://gc.sfc.keio.ac.jp/class/2005_19872/slides/09/




スケールフリーに関しては、パレートなどの研究があるがマルクスの再生産表式がその代表例だろう。
スモールワールドは、アソシエーションの原理として、弱者の武器として活用可能だが、こちらがうまくいっていないことが問題だ。
地域通貨は基本的に中間領域の拡大であるが、一つの地域通貨のなかにもこの二つのジレンマがある。


地域通貨にはこうしたジレンマのような問題点を顕在化させて、対処の必要性をいちはやく認識させるというところに利点があるが、過剰な期待は出来ない。
田中優氏も言うように、地域通貨はインフレ対策にしか効力がないとも言える。
ただ、円建ての地域通貨(地域横断型の「市民通貨」<by柄谷行人>がその一例)はデフレ時にも有効であり、それと純LETS(口座式、ゼロサム型)の組み合わせが模索されるべきだろう。

(地域通貨を重視するのであれ、市民通貨を重視するのであれ)複数の地域通貨を使い分けて、はじめてこうした状況を乗り切ることができるのかもしれない。

追記:
ネットを使った地域通貨は関係グラフ(=関係性のみを抽出したグラフ)であり、完全グラフ(=すべてがそれぞれつながったグラフ)を目指す。しかし、地産地消、循環型社会、を目指す立場からはある程度空間グラフ(=空間が固定されショートカットがないグラフ)であるべきだろう。
空間グラフは基本的にスケールフリーにならないからだ。
循環型社会を完全グラフとのアレゴリーで語るなら、地域通貨のネットワークは、完全グラフがいくつも集まったものが空間グラフ(各クラスターが完全グラフになることが望ましい)として配置されるのが理想かもしれない。
循環型社会のノウハウをシェアするうえでは関係グラフとしてスモールワールド化されているのがよいが、基本は空間グラフの安定だ。それは地域生命主義的に水系などを考えれば、生存環境を捨象できないわけだからから容易にわかる。

関係グラフと空間グラフの中間にあたる遷移可能なグラフの例として、サッカーのパスコースなどがある。このように現実は中間であり、こうした中間あることの自覚が必要かもしれない。

例えば地域通貨の情報をそとにもたらすことで利益を得るひとがよくいるが、これは内側の小さなグラフへの配慮が足りないのである。

その意味で、フラクタルという自己相似性という概念は、自分から考えて大小どちらのグラフへも思考を開くので、有効である。

追記2:
NAMは各地域系、関心系といったクラスターに分けられ、特に地域系へのフィードバック(完全グラフへ向けられたそれ)が準備されていて、興味深い組織構造↓をもっていた。
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すくなくともNAMそれ自体が、日本の社会運動全体のショートカット足り得ていたと思う。少なくとも僕自身にとってのブリッジになったということは言える。

追記3:
スケールフリー→スモールワールドだが、スモールワールド→スケールフリーというわけではない(参照『「複雑ネットワーク」とは何か』ブルーバックスp118)。
これは完全グラフや、枝の本数が一律のグラフを考えればわかる。
ここでは関心グラフに対する空間グラフの重要性を強調しておきたい(参照『スモールワールド』ダンカン・ワッツ著)。
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by yojisekimoto | 2007-06-11 12:50 | 地域通貨

マレニーLETS手形

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写真は、デジャーデンゆかりさんに提供いただいたオーストラリア・マレニーのLETS小切手です。
金額を書き、受け取った側が地域通貨事務局に持って行くか、投函します。
エクアドルのシントラルや登戸のアーチと同じ形式で、非常に合理的だと思います。
(マレニーの場合は控えがなく、A4用紙に八枚つづりで勝手にコピーする形式です。インターLETS用に自分のグループ名を記載する欄が下にあるのが特徴的。20ほどのLETSが協賛しているという。どの程度自立性を保っているかは不明。 )
来日したジル・ジョーダンさんにもご挨拶でき、有意義な時間を持つことが出来ました。
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by yojisekimoto | 2005-03-29 17:11 | 地域通貨