カテゴリ:スピノザ( 41 )

スピノザの思惟と延長=カントとマルクス

以前同様の事を両界曼荼羅について書いたが、カントとマルクスはスピノザにとっての思惟と延長と考えられる。
両者は同じ構造なのだ。 :改訂版

カントは、

  分 析
 量 | 質 
規__|__反
定  |  省
 関係|様相
  総 合

http://nam-students.blogspot.com/2011/10/blog-post_27.html


マルクスは、

  絶対的
 時間|法則
拡__|__単
大  |  純
 効率|総合
  相対的

http://nam-students.blogspot.com/2011/10/blog-post_29.html




両者を合わせると、

   
          スピノザ
           /\
         思惟  延長
      カント      マルクス

ということになる。

a0024841_16583426.jpga0024841_16585095.jpg



(写真は『トランスクリティーク』韓国語版(2005)の見開きより)


「真の観念はその対象(観念されたもの)と一致しなければならぬ。」(スピノザ「エチカ」第一部公理6



この対称性を『トランスクリティーク』と言うこともできる。


追記:
媒介にヘーゲルを使うことも出来る(参考)。
また以前書いた事のある『神学・政治論』『国家論』:図解も参考になるだろう。

改訂版(左右逆にした):
   
                       スピノザ
                        /\
                      延長  思惟 
                   マルクス    カント

 マルクス『資本論』 絶対的5〜9、   商品と                           
 __________相対的10〜13__貨幣〜3  ______純_粋_理_性_批_判______判断
|資本の変態|(資本の |剰余|資本|拡大|単純| (緒言)  |     |     |  手引き=表
|  と循環| 循環過程)価値|へ4|価値形態論1 |     |     |  緒言 |概念分析 |&
| 1〜6 |1、2、3| 〜16 一般的|貨幣| | 空間  |  時間 |     |演繹   範疇
|_二資本の流通過程__|_一資本の生産過程__| |  (感 性 論)  |__(論 理 学)__|表
|     |     |時間|  | 資本の | |     |     |  /分 析 論   |
|資本の回転|社会的  |_労 賃_|蓄積過程 | |     |     |   図式| 付録: |
| 7〜17|総資本  |17〜20|21〜25| |     |     |原則分析 |反省概念 |
|_____|18〜21|出来高__|_____| |_原  理  論___|体系_根拠|___(無)
|     |     |     |労働|  | |  (感性論と論理学)|     |     |
|  利潤 |     |生産過程 三位一体48| | 概 念 |  霊魂 | 緒言  |  訓練 |
| 1〜20|     | 49  |資本|土地| |     |     |     |     |
|____三資本主義的生産の総過程への転化|__| |(論 理 学)推 理_|___方 法 論___|
|     絶対・|差額|競争の  労働者|  | |/弁 証 論  存在論|     |  (図式)
|  利子 |_地代_・|外観50 |_諸階級52 量 世界 質|  神  | 規準  | 建築術_|
|21〜36|37〜47| 分配と 資本家|地主| 関係  様相|宇宙 神学|     (体系)  |
|複利24_資本主義的・|_生産51|__|__| |二律背反_|_論___|_____|__|歴史|

                      事後   事前
                 C状反時計回り   Z状


サティシュ・クマールは世界の構造を以下のように考えた。
Soil, Soul, Society。三つのS。対応する思想家。

       /社会・マルクス
      /__\
     /\魂(人間)・カント
    /__\/__\
   /\  土   /\・スピノザ
  /__\(生命)/__\
 /\  /\  /\  /\
/__\/__\/__\/__\

パーソンズ的4分割だと、
                       プルードン
              |        |アソシエ|
              |        |ーション|ネーション
              |  デュルケム |___社 会____
              |  /ウェーバー|マルクス|
テリック(究極)・システム |        |キャピタ|ステート 
   L スピノザ     |_I実践理性_人 間__ル|_____
              |  批判  カント
              |   モース  |フロイト
              |        | 
              |        |
_____________生 命_______|__________
              |
              |
              |
              |
 A純粋理性批判  カント |   G判断力批判 カント
              |
              |
              

 マルクス『資本論』 絶対的5〜9、   商品と                           
 __________相対的10〜13__貨幣〜3  ______純_粋_理_性_批_判______判断
|資本の変態|(資本の |剰余|資本|拡大|単純| (緒言)  |     |     |  手引き=表
|  と循環| 循環過程)価値|へ4|価値形態論1 |     |     |  緒言 |概念分析 |&
| 1〜6 |1、2、3| 〜16 一般的|貨幣| | 空間  |  時間 |     |演繹   範疇
|_二資本の流通過程__|_一資本の生産過程__| |  (感 性 論)  |__(論 理 学)__|表
|     |     |時間|  | 資本の | |     |     |  /分 析 論   |
|資本の回転|社会的  |_労 賃_|蓄積過程 | |     |     |   図式| 付録: |
| 7〜17|総資本  |17〜20|21〜25| |     |     |原則分析 |反省概念 |
|_____|18〜21|出来高__|_____| |_原  理  論___|体系_根拠|___(無)
|     |     |     |労働|  | |  (感性論と論理学)|     |     |
|  利潤 |     |生産過程 三位一体48| | 概 念 |  霊魂 | 緒言  |  訓練 |
| 1〜20|     | 49  |資本|土地| |     |     |     |     |
|____三資本主義的生産の総過程への転化|__| |(論 理 学)推 理_|___方 法 論___|
|     絶対・|差額|競争の  労働者|  | |/弁 証 論  存在論|     |  (図式)
|  利子 |_地代_・|外観50 |_諸階級52 量 世界 質|  神  | 規準  | 建築術_|
|21〜36|37〜47| 分配と 資本家|地主| 関係  様相|宇宙 神学|     (体系)  |
|複利24_資本主義的・|_生産51|__|__| |二律背反_|_論___|_____|__|歴史|

 _金剛界曼荼羅____西___________   _胎蔵界曼荼羅____東___________最
| ____________________文様帯 | __________ __________ 外
||      |       |      || ||  |______文殊菩薩_文殊院_|  |院
||      |   大日  |      || ||  |_釈迦院__釈迦如来_____|  ||
||      |   如来  |      || ||  |  |   遍智院   |  |  ||
||四印会___一印会_____|理趣会___|| ||  |  |____△____|  |  ||
||      |  阿弥陀  |      || ||地 |  |弥勒  宝幢 普賢|  |除 ||
||      |       |      || ||蔵 |蓮華|         |金剛|蓋 ||
南|      |宝生 大 不空|      |北 北 院 |部院| 天鼓 大 開敷 |手院|障  南
||      |   日 成就|      || ||  |  | 雷音 日 華王 |  |院 ||
||      |       |      || ||  |  中 台 八 葉 院 |  |  ||
||供養会___成身会_阿閦__|降三世会__|| ||  |  |観音_無量寿_文殊|  |  ||
||      |       |      || ||  |  |  持 明 院  |  |  ||
||      |       |      || ||  |__|_________|__|  ||
||      |       |降三世   || ||  |______虚空蔵院_____|  ||
||微細会___三昧耶会____|三昧耶会__|| ||__|______蘇悉地院_____|__||
|_______________________| |___________ ___________|
            東                         西
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by yojisekimoto | 2011-10-31 17:30 | スピノザ

スピノザは実在論者か、観念論者か?

 「真の観念はその対象(観念されたもの)と一致しなければならぬ。」(『エチカ』第一部公理六

最近出版された河井徳治『スピノザ「エチカ」』36頁にはスピノザは実在論者とある。簡単に言えば観念の世界を反省するだけではなく、実際の世界との合一をスピノザは求めたというのだ(「観念は無言の絵ではない」二定理43備考,49備考)。
しかし、岩波文庫の注釈には(上282頁)スピノザはノミナリスト(唯名論者、あるいは観念論者*)だとある。

これは普遍論争自体の解釈のあり方の問題もあって難しい(倫理的な問題も浮上する**)。

個人的には河井氏の解釈に同意するが、潮流としてのノミナリスとの一群にスピノザがいた(トマス・アクィナス批判といった意味で)という解釈も出来るとは思う。


注:これはカントの観念論を意図したであろう河野氏の文脈に寄り添った場合の説明で、普遍論争の文脈だと観念論=実在論であろう。普遍的な観念が実在する、というのが実在論(実念論)だからだ。

**
倫理(エチカは住処を意味するエートスのラテン語)には(論理学用語で言えば)一対一対応とともに集合論的な場を前提とする。
ライプニッツ、フレーゲの論理学のラインには倫理が内包されていない。
スピノザ、ヴィトゲンシュタインには、その論理に倫理が内包されている。
フレーゲは素朴な集合論を忌避したから、逆に晩年にラッセルの集合論のパラドックスの逆優を受けた。
ライプニッツには集合論はあるが、その倫理の回避は、可能世界論の形をとる。
無限集合を導入することで倫理を回避するのだ。
スピノザ、ヴィトゲンシュタインはむろんタイプは違う。
スピノザの倫理は、観念が物体と対応すべきと言う実在論的なものだ。それは言語学的ではない。
スピノザの場合、可能世界のない世界が可能世界論的に一つある、と考えることから始まる。
そこに潜在性=本性、を問うことの出発点がある。

付録:
参考:エチカ全体図

              1実体 実体1d3 知1d4.2:49 神1d6 対象1a6
               /\      無限1:8 思惟1:21.2:1.2:7
             形/無限\想    能産的1:29 所産的自然1:29
            相/_無限定_\念         
    _______的/_2a属性__\的_______ 2a物体2d1 観念2d3
    \知 抑制  /  小/\大(完全性)  至福/  属性2:1 無限定2d5  完全性2d6
     \   悪/___2b様態\___\善   /   延長1:14.2:2.2:7 
      \  /\悲しみ_/\_喜び /\  /    2b様態1d5.2:6 精神2:11
       \/ 憎しみ \努力意 愛/  \/(共通概念) 認識2:40 身体2:13.
       /\対象/物体_衝動志観念\認識=第一・二種       第三種認識2:40
      /所産的自然_身体欲望精神知性\/  \     感情3d3 能動3d2 受動3d2
     /  延長\ 受動3感情/能動 /思惟  \能産的   努力3:7.4:22  
   神/______\___意識___第三種認識__\自然   欲望3:9 悲しみ3:11喜び3:11 
            \ 4理性  /             愛3:30 憎しみ3:30.f7
             \    /    理性2:40、4:18備 善3:39.4d1 悪4d2
            偶然\_徳_/必然   徳4d8 自然4:4 抑制4:7 至福4f4
            可能 \/ 
              5自由      自由 2:49.5:36
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by yojisekimoto | 2011-06-27 21:16 | スピノザ

「スピノザは神に酔った人間である」(ノヴァーリス)

「スピノザは神に酔った人間である。[562]( intoxicated with God,”der Gottbetrunkene Mensch)」というノヴァーリスの有名な言葉は、「断章と研究」1799−1800 『ノヴァーリス作品集3』(ちくま文庫342頁)に所収されている。ノヴァーリスはベンヤミンがドイツロマン派の天才と呼んだだけあって、論理的に興味深い点を含む。単なるアンチヘーゲルではない。ベンヤミン的でもある。アウフヘーベンを、天才的(228頁)とも錯覚(242頁)とも解釈し、両義的に捉えているのだ。

前掲書の一般草稿には「脱自」(エクスターゼ)をスピノザの目的(神への知的愛)と結びつける記述があり興味深い(291頁)。ハイデガーはカント的立場からこれらを無視したが、基本的には(ヘルダーリン経由だが)近い位置にいる。
その他、以下の様な記述もある。

「スピノザ主義ー流出論の体系」(278頁)

「快楽的な知(あらゆる神秘主義の根底にあるもの)というスピノザの観念は、最高に興味深いものである。」(282頁)

Cf. Fragmente und Studien 1799/1800 in which Novalis famously remarks, "Spinoza
is a God-intoxicated man" (HKA III, no. 562, p. 651).
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by yojisekimoto | 2011-06-05 17:50 | スピノザ

Spinozas Gott


"Spinoza" is the first series of the documentary cicle "The Great Philosophers of the World". Author and director Alexander Shapiro. The documentary was shot in Holland in February 2007.

1929年のニューヨークのHerbert S. Goldstein師の電信での質問「あなたは、神の存在を信じますか? 50語で答えてください。」に対して、アインシュタインは

「私は、人類の運命と行いについて気にする神ではなく、世界の秩序ある調和として現れる、スピノザの神を信じます」

"Ich glaube an Spinozas Gott, der sich in der gesetzlichen Harmonie des Seienden offenbart, nicht an einen Gott, der sich mit Schicksalen und Handlungen der Menschen abgibt."

"I believe in Spinoza's God, Who reveals Himself in the lawful harmony of the world, not in a God Who concerns Himself with the fate and the doings of mankind."

と、ドイツ語で25(27?)語で答えた。スピノザは自然主義の汎神論者だった。

(New York, April 24, 1921?(1929?), published in the New York Times, April 25, 1929)

- Telegramm an den New Yorker Rabbiner Herbert Goldstein zitiert in "DER SPIEGEL" 52/1998 vom 21.12.1998, Seite 166 und in der Biographie "Mensch Einstein".

http://de.wikiquote.org/wiki/Albert_Einstein#Weitere
http://transact.seesaa.net/article/111197296.html
The Portable Atheist: Essential Readings for the Nonbeliever 著者: Christopher Hitchens
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by yojisekimoto | 2011-04-14 02:27 | スピノザ

エチカ図解:改訂版

図TOP           1実体
               /\
              /無限\
             / 無限定_

    _________2a属性__________
           小/\→大 完全性  至福
        ___2b様態_____     
        悲しみ_/\愛_喜び\    
       / 経験/身体  精神\認識 \
         /_\/_  
     所産的自然/_物体_欲望_観念_\    
 能産的 /  延長   3感情意志 思惟  
  自然/_________\/___第三種認識__\神
             4理性     
              努力 /
              \ _
               \/
              5自由



一:
16〜産出的、起成原因

  一実体
 必然/\無限
自然/__\神
   唯一

唯一性5(12)→無限性8(11、15完全性、16)→必然性11→内在的18→永遠性19


二:

  二a属性
   /\
延長/__\思惟


         二b様態6〜49      
悪      /   /\   \      善    
 \ 悲しみ/虚偽_/真の\本質_\喜び  /   
  \  /\35/ 43 45ー7\  /      
   \/  混乱  共通  \/  \/      
  個体\  28 3940 /\  /認識    
  14 \/_身体_持続_精神_\/ 41      
 /  物体\ 13303119認識観念  \          
/___12_\14_23___4032___\        
延長      11 欲望  /知性=意志 思惟     
         \三感情 / 49    /           
  \       \努力/       /              
自然 \_______\/___       神
          四理性44、必然=本性
        端正心 道義心
          宗教心

物体→身体→精神→観念

混乱→持続→虚偽→共通→真の→必然→本質

3種 
2種 軟/固   善/悪          
1種 動/静  印象/記号    
    個体    認識
    13    40
   (補7)

三:
〜8 コナトゥス(努力)
               欲 望 
                |
             完全を追い求める
              /   \
     悲 し み_減少する    増加する__喜 び
     ///|                |\\\
    /// 憎しみ__外的要因を伴って____愛 \\\
   ///         /|\          \\\
  //絶望_______確か_|_\_________安堵\\
 /恐怖____________|__不確か________希望\
反感____________偶然によって____________好意

あるいは、

スピノザ感情論:
       欲望〜完全性追求
悲しみ_減少する_/|\_増加する_喜 び
|||\憎しみ__外的要因___愛/|||
||絶望__確か/_|_\____安堵||
|恐怖_______|__不確か__希望|
反感______偶然によって_____好意

反感_____偶然によって___好意
|恐怖______|_不確か_希望|
||絶望_確か__|_/__安堵||
|||\憎__\外的要因_愛/|||
☆悲しみ_減少_ | _増加_☆喜び
        \|/
      ☆欲望~完全性追求

☆=基本3感情


反感_____偶然によって___好意
|恐怖______|_不確か_希望|
||絶望__確か_|_/__安堵||
|||\憎__\外的要因_愛/|||
☆悲しみ_減少  |  増加_☆喜び
       \ | /
     ☆欲望~完全性追求

☆=基本3感情


反感_____偶然によって___好意
|恐怖______|_不確か_希望|
||絶望__確か_|_/__安堵||
|||\憎__\外的要因_愛/|||
☆悲しみ_減少_ | _増加_☆喜び
        \|/
     ☆欲望~完全性追求

☆=基本3感情


______

            残忍、過酷38               温和   慈悲心
               憤慨20               好意19

               憐憫18 (模倣) 競争心33     X 
               慈悲心35     欲望
               悲しみ                 正義、公平、端正心、道義心および宗教心
http://nam21.sakura.ne.jp/spinoza/#note3p21n
3:22備考 定理二一は憐憫の何たるかを我々に説明してくれる。我々はこれを他人の不幸から生ずる悲しみであると定義することができる。しかし他人の幸福から生ずる喜びがいかなる名前で呼ばれるべきかを私は知らない。さらに我々は他人に善をなした人に対する愛を好意と呼び、これに反して他人に悪をなした人に対する憎しみを憤慨と呼ぶであろう。

http://nam21.sakura.ne.jp/spinoza/#note3p27n
3:27備考 
備考 感情のこの模倣が悲しみに関する場合には憐憫と呼ばれる(これについてはこの部の定理二二の備考を見よ)。しかしそれが欲望に関する場合は競争心と呼ばれる。ゆえに競争心とは我々と同類の他のものがあることに対する欲望を有すると我々が表象することによって我々の中に生ずる同じ欲望にほかならない。  (備考1)

3感情三五 慈悲心とは我々の憐む人に対して親切をなそうとする欲望である。

 感情三八 残忍あるいは苛酷とは我々の愛する者あるいは憐む者に対して、害悪を加えるように我々を駆る欲望である。   250
 〔この部の定理四一の系の備考を見よ〕
 説明 残忍には温和が対置される。しかし温和は受動ではなく、人間が怒りおよび復讐を抑制するような精神の能力である。

http://nam21.sakura.ne.jp/spinoza/#note4f24
 第二四項 他人に対して向けられたその他の悲しみの感情は正義、公平、端正心、道義心および宗教心の正反対である。憤慨のごときは公平の外観を帯びているけれども、もし他人の行為について審判して自己もしくは他人の権利を擁護することが各人に許されるとしたら、人間は無法律で生活することになる。

4部定理69系
自由の人にあっては、適時における逃避は戦闘と同様に大なる勇気の証明である。すなわち自由の人は戦闘を選ぶ時と同じ勇気ないし沈着をもって逃避を選ぶ。


               慈悲心35
残忍、過酷38         温和(38備)   

反感_____偶然によって___好意
|恐怖______|_不確か_希望|
||絶望__確か_|_/__安堵||
|||\憎__\外的要因_愛/|||
☆悲しみ_減少_ | 増加_\☆喜び     
        \|/    \         
     ☆欲望~完全性追求__\45美味欲 46飲酒欲 47貪欲
(和合)
慈悲心35
憐憫18   競争心33   (模倣) 
(道義心)
       43鄭重あるいは礼譲
       44名誉欲

         正義、
         公平、
         端正心

四 第一四項 このように人間は大抵自己の欲望に従って一切を処理するものであるけれども、人間の共同社会からは損害よりも便利がはるかに多く生ずる。ゆえに彼らの不法を平気で堪え、和合および友情をもたらすのに役立つことに力を至すのがより得策である。
 第一五項 この和合を生むものは 正 義 、 公 平 、 端 正 心 に属する事柄である。なぜなら人間は不正義なこと、不公平なことばかりでなく非礼と思われること、すなわち国家で認められている風習が何びとかに犯されるようなことも堪えがたく感ずるからである。 さらに進んで愛を得るには宗教心および道義心に属することが最も必要である。 これらのことについては第四部の定理三七の備考一と二、定理四六の備考および定理七三の備考を見よ。
 第一六項 そのほかに和合はしばしば恐怖から生まれるのが常である。しかしこれは信義の裏づけのない和合である。これに加えて、恐怖は精神の無能力から生ずるものであり、したがって理性にとっては無用である。あたかも憐憫が道義心の外観を帯びているにもかかわらず理性にとって無用であるのと同様に。

3部定理59備考
寛仁(礼譲、温和)対他者 
   勇気(節制、禁酒、危難の際の沈着)自己
精神の強さ
   欲望

   
四:
38〜能動(外部からの刺激)

道義心  | 宗教心
(正義心)|
_____|____
端正心  |
(品位) |

または、

道義心 | 宗教心
____|____
    | 端正心
    |


スピノザは国家をアソシエーションとして考えている(エチカ4部定理37備考1参照)。

逆か?
スピノザはアソシエーションとしての国家を考えている。

    | 宗教心
    |(欲望)
____|____
道義心 | 端正心
(善悪)|(友人)


善        悪
   徳=努力
\端正心  道義心/
(友情) (善悪)   
  \宗教心/   
   (欲望)
   四理性


        精神の強さ
         /\ 
   (他者)寛仁__勇気(自己)
         宗教心
         道義心(正義、公平)  ←→ 非礼
        端正心


アソシエーションとしての国家の基礎。

    | 宗教心
 X  |(欲望)
____|____
道義心 | 端正心
(善悪)|(友人)

      国 家
  \端正心  道義心/  ←→ 非礼
   (友情) (善悪)   
    \宗教心 /  
(他者)寛仁__勇気(自己)
      \/
     (欲望)
     精神の強さ  
     徳=努力
     四理性

エチカ4部定理37備考1参照
 さらに、神の観念を有する限りにおける我々、すなわち神を認識する限りにおける我々から起こるすべての欲望および行動を私は宗教心に帰する。しかし我々が理性の導きに従って生活することから生ずる、善行をなそうとする欲望を私は道義心と呼ぶ。次に理性の導きに従って生活する人間が他の人々と友情を結ぶにあたっての根底となる欲望を私は端正心と呼び、また理性の導きに従って生活する人々が賞讃するようなことを端正と呼び、これに反して友情を結ぶのに妨げとなるようなことを非礼と呼ぶ。このほかに私は国家の基礎の何たるかをも示した。               

五 定理四一 たとえ我々が我々の精神の永遠であることを知らないとしても、我々はやはり道義心および宗教心を、一般的に言えば我々が第四部において勇気および寛仁に属するものとして示したすべての事柄を、何より重要なものと見なすであろう。



五:
______
\知 至福/   
 \_徳_/   
  \/
 五自由
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by yojisekimoto | 2011-03-11 12:49 | スピノザ

カント体系に合わせたスピノザ『エチカ』:メモ

以下、カント体系
 分 析
規_|_反
定 | 省
 総 合

以下、カント体系に合わせたスピノザ『エチカ』記述順。
  1
3 十 4
  2 5 

  1分析
  2総合
3規定4反省
   5総合&反省
a0024841_21234847.jpg


参考:


TOP☆ 目次
図TOP           2b様態
               /\
           無限定/無限\
             /    \
 悲しみ______小←_2a属性__→大______喜び
    \      /   /\  完全性     /
        ___1実体___   /  
      \    _/\_至福   /  
     憎しみ 経験 \  第三種/認識
       /
  //_\/_\\  /\
    所産的自然
_____自然(能産的)   
     /  延長
   5自由   思惟  \ 
  物体/_個体__身体___\/意志_精神__認識_\観念
            \ 4理性  /  
             \    /

              \努力/
               \/
               欲望
              3感情

http://nam21.sakura.ne.jp/spinoza/



 ________純_____粋_____理_____性_____批_____判________
(緒言)        |           |           |0 |  |量 | 質|
|1~7(初版1、2) |           |  (空虚/盲目)  |__|_手引き(判断、範疇表)
|           |           |           | 概念一般|関係|様相|
|   空間(外的)  |  時間(内的)   |   (緒言)    |__|概念分析_|__|
|形而上学的/     |形而上学的/     |           | 演繹一般|  |  |
|           |           |           |_演 繹_|__|__|
|           |           |           先験的演繹(初版、+構想力)
|________(感 性 論)________|_______(論 理 学)|要約|__|__|
|     超越論的  |     超越論的  (序論)判断力   分 析 論   (対概念)同一/相違 
|           |           1図式2体系(分析/総合)     |一致/反対|
|           |           |直観の公理|知覚の先取|     |内的/外的|
|           |           量___原則分析___質|付録:反省概念の_規定/被規定
|           |           |経験の類推|思考の要請|   二義性 量| 質|   
|           |           関係 A実体|   様相|(ライプ |_注:無_|   
|           |           |B C  3現象と可想| ニッツ)|関係|様相|   
原   理   論(感性論と論理学)______|原因_相互|の区別根拠|_____|__|__|
(緒言)  |2理性  |0(主観X)     (緒言)論証|2単一  |     |     |
|1仮象  |A理性一般|  同一 | 単純  |一、独断的|四、理性の証明    |     |
|     |B論理的使用  a量4| b質3 |数学/哲学|3直接、1根拠    |     |
|_____|C純粋使用|___霊 魂(定言)_|___1訓 練____|___2規 準____|
0 理念一般(イデア) |(四つの誤謬推理、第二版) 二、 | 三、  |  目的 | 理想  |
|  理 性 概 念  |  実体 |精神=コギト 論争的/| 対仮説 |  (不死|(最高善、|
|先験的理念|先験的体系| c関係2| d様相1|懐疑論(ヒ|(蓋然的)| 自由、神| 3つの問い)
|_____|__(論 理 学)推理論、理念__|__ューム)___方 法 論___信(蓋然的)|
|     |   弁 証 論   |     |     |     |     |     |
| 限界  | 部分  |     |存在論  |     |(図式) |     |     |    
|  量  |  質  |     | sein|     |     |     |     |
|__世 界(二律背反)|__神(三つの証明)_|__3建 築 術___|___4歴 史____| 
|     (仮言)  |    (理想、選言)|  (全体系計画)  |     |     |
| 自由  | 必然  |宇宙論  |自然神学 |(体系) |     |     |     |付録: 
|  関係 |  様相 |ライプニッツ     |     |     |     | (概念の演繹論)
|_____|_____|_____|_____|_____|_____|_____|(初版:誤謬推理
                  付 録(目的論)                     cbad)
                  理念の統整的使用
                  自然弁証法の究極意図

http://nam-students.blogspot.com/2010/09/blog-post_5252.html



Σ版:

  受動                    2の2様態
                         /\      
                        /  \    (外部1〜24、
                       /    \   内部=性格25〜31、
                      /      \  欲望32〜48)                 
                     /        \        
                    /          \              
                   /            \             
  悲しみ3*_____完全性_小←/____2の1属性_____\→大__________*喜び2
  恐怖13*@         /       /無限      \    (@恐怖13)*希望12
  絶望15*         /       /  \       \          *安堵14
  落胆17*    自卑29*       /    \       *高慢28     *歓喜16
     \      謙遜26* 後悔27*_1実体__*自己満足25 \        /嘲弄11@
   反撥9*      /悪  恥辱31*   /\   *名誉30  善\      /*好感8
       \     /  \   知/___/__\___\至福  /  \    /
  憤慨20* \  /    \  /\  /    \  /\  /    \  /  *好意19
     憎しみ7*(@怒り、@復讐心) \/  神   \/  \/      \*愛6  
    ねたみ23*    憐憫18\  /\      /\  /\      /*同情24
        /見くびり22*/  \永遠、必然_本質、本性\/  \*買いかぶり21
所産的自然  /    \  /    \   \  / 能産的自然  \  /    \
      /      \/______\___\/___/______\/帰依10@ \   
     /        \延長     \  徳   /     思惟/        \
    /          \       \5自由 /       /          \ 
   /         個物 衝動      \努力/      意志=知性         \  
物体/__________個体__\_______\/_______/__認識__________\観念
                身体\    4道徳、理性    /精神(@軽蔑5)     
                表象像\軽蔑5@     驚異4(@帰依10、@恐慌42)     表象
                  (@嘲弄11)      /
                     \        /    
                      \      / 
                    臆病39    /  
                    恐慌42@  /
                    小心41*\/*大胆40
                         欲望1
                         思慕32 競争心33 感謝、謝恩34 慈悲心35
            怒り36@ 復讐心37@ 残忍38
            鄭重43 名誉欲44 美味欲45 飲酒欲46 貪欲47 情欲48 
                        3感情
                 礼譲4:37、付25
                (従順)     道義心 端正心
                        (敬虔)(礼儀)
                     非礼      端正
                            (品位) 4:37備考      能動

注:Σ版では大きな三角形と逆三角形の結節点に愛と憎しみを配置した。

               憤慨20               好意19

               憐憫18 (模倣) 競争心33     ? 
               慈悲心35     欲望
               悲しみ                 正義、公平、端正心、道義心および宗教心
http://nam21.sakura.ne.jp/spinoza/#note3p21n
3:22備考 定理二一は憐憫の何たるかを我々に説明してくれる。我々はこれを他人の不幸から生ずる悲しみであると定義することができる。しかし他人の幸福から生ずる喜びがいかなる名前で呼ばれるべきかを私は知らない。さらに我々は他人に善をなした人に対する愛を好意と呼び、これに反して他人に悪をなした人に対する憎しみを憤慨と呼ぶであろう。

http://nam21.sakura.ne.jp/spinoza/#note3p27n
3:27備考 
備考 感情のこの模倣が悲しみに関する場合には憐憫と呼ばれる(これについてはこの部の定理二二の備考を見よ)。しかしそれが欲望に関する場合は競争心と呼ばれる。ゆえに競争心とは我々と同類の他のものがあることに対する欲望を有すると我々が表象することによって我々の中に生ずる同じ欲望にほかならない。  (備考1)

http://nam21.sakura.ne.jp/spinoza/#note4f24
 第二四項 他人に対して向けられたその他の悲しみの感情は正義、公平、端正心、道義心および宗教心の正反対である。憤慨のごときは公平の外観を帯びているけれども、もし他人の行為について審判して自己もしくは他人の権利を擁護することが各人に許されるとしたら、人間は無法律で生活することになる。


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by yojisekimoto | 2011-03-05 21:23 | スピノザ

エチカの境界:メモ

スピノザのエチカ全体は2部と3部の間で分かれる。
各部もそれぞれ以下のように分かれる。
1部は定理9から、2は定理13から、3と4は付録から、5は定理21から、それぞれ具体的かつ能動的な契機を持つ。
図解では、△→▽、で表現した。 http://nam21.sakura.ne.jp/spinoza/

興味深いのはそれぞれの境界上の定理を歴史上の哲学者が引用、活用しているということだ(ネット上のテキストには()内にその名前を付記している)。

1:8及び9はゲルー及びドゥルーズがその方向転換に着目している(『無人島2』他)。

 第1部
 定理八 すべての実体は必然的に無限である。    
 定理九 およそ物がより多くの実在性あるいは有をもつに従ってそれだけ多くの属性がその物に帰せられる。

 
2:13(証明及び備考も含む)はネグリが『野生のアノマリー』でエチカの頂点とまで書いている(図解で2部を二つに分けたように、様態の記述が始まる2:6が境界と見ることもできるが内容上の変化は13で起きると見ていい)。

 第2部
 定理一三 人間精神を構成する観念の対象は身体である、あるいは現実に存在するある延長の様態である、そしてそれ以外の何ものでもない。


3章の始め(厳密には3:2備考)にある「(我々は)身体について知らない」というフレーズは、ドゥルーズ経由で浅田彰が引用している(フォーサイス論他)。
3:57はラカンが博論で冒頭に掲げている。
これは厳密には59まである第三章の付録寸前の章ではないが、58、59は付録の導入部と解釈できるので、境界上にあるとも読み取れる。
 
 第3部
 定理五七 各個人の各感情は他の個人の感情と、ちょうど一方の人間の本質が他方の人間の本質と異なるだけ異なっている。
   

5:20(証明及び備考も)はプルードンが『革命と教会における正義』(未邦訳)で引用している。
 
 第5部
 定理二〇 神に対するこの愛はねたみや嫉妬の感情に汚されることができない。むしろより多くの人間が同じ愛の紐帯によって神と結合することを我々が表象するに従って、この愛はそれだけ多くはぐくまれる。


ちなみにゲーテが感動したというのはその前の19、

 第5部
 定理一九 神を愛する者は、神が自分を愛し返すように努めることができない。
       

残念ながら4部は見当たらないが、ニーチェが善悪の彼岸のコンセプトを借りたらしい(別の説もある)、4:68(73まであるが)を挙げてもいいだろう。

 第4部
 定理六八 もし人々が自由なものとして生まれたとしたら、彼らは自由である間は善悪の概念を形成しなかったであろう。

 
ちなみに4:73は、 

 第4部
 定理七三 理性に導かれる人間は、自己自身にのみ服従する孤独においてよりも、共同の決定 に従って生活する国家においていっそう自由である。   

というものである。
NAM原理の改訂版の冒頭にふさわしいと個人的には思う。


追記:
以下のサイト(転載)では、1、3、4部はそれぞれ、一16三9四38、から主題が変わるとされている。

http://nam21.sakura.ne.jp/spinoza/ethplan.htm
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by yojisekimoto | 2011-02-23 19:13 | スピノザ

スピノザ、ヒューム、フレーゲ

フレーゲは自らの個数言明の理論に確証をもたらすものとして、(半ば批判的にではあるが)スピノザを引用している(邦訳『算術の基礎』49節、109頁。むろんフレーゲはスピノザとは逆に表象から概念が始まっても構わないと考えていて、この時点では実念論的ではない)。

「我々は物を共通の類に還元した後でのみその数の概念の下に考えることができる」(邦訳『スピノザ往復書簡集』書簡50、238頁)

スピノザが硬貨を例に挙げていることが重要なのだがここでは割愛する。
さらに、フレーゲは63節で数の一意的対応の根拠にヒュームを持ち出している(参考:旧投稿)。

ここにヒューム、スピノザは経験論、決定論の区別なく、数学の基礎に位置づけられる。
なお、フレーゲの試みはラッセル、より本質的にはゲーデルに破壊されたとはいえ、ゲーデル数と自然数の対応など、ゲーデルもフレーゲの理論を借り、突き詰めることでフレーゲ理論に反駁したという点が重要である。

今日まで、スピノザ、ヒュームが、カント(フレーゲは前掲書で「カントの改善」を試みたと言っている)によって神秘主義、懐疑主義者とされてしまった弊害は大きい(なおカントも『遺稿』ではスピノザの土俵に立ち返っているが)。

追記:
ネグリ、ハートは『野生のアノマリー』(邦訳297頁)『コモンウェルス』(未邦訳)で上記のスピノザの言説を引用し、政治学的に展開しているようである。
『野生のアノマリー』はアルチュセールの影響を受け、あまりに政治的だったが(あまりに政治的なので、スピノザが硬貨を例に挙げたことの経済学的な重要さ〜プルードンの相互主義に通じる〜が理解できていないようだが)、それでも書誌的な研究はしっかりしていたし、彼らはそれを続けていることになる。
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by yojisekimoto | 2011-02-15 17:54 | スピノザ

スピノザとパゾリーニ

スピノザからヘーゲル(総合)ではなく、スピノザからニーチェ(断片)の系譜にゴダールをおくのが正しい。ただゴダールは平行論的であっても汎神論を受け継いでいない。ブレヒト経由でマルクス的であるかに見えて、実はカント的な批判哲学に親和性がある。ドイツ的なものに逆らいながら。

スピノザに近いのはパゾリーニだ。ゴダール作品から俳優を借りた『豚小屋』で主人公が見る夢(主人公自身が豚に食べられる夢)は、シナリオ段階ではスピノザの夢と命名されていた。この作品のストーリーの交差こそ平行論的だ。マルクス主義者のパゾリーニは一つの意味を提示するが、身体をなくした主人公の精神はアレゴリカルに身体と分離している。

「私は、映画は本質的かつ本来的に、詩的なものであるという意見です。その理由として私はこう言ってきました。
すなわち、映画は夢のようであり、夢に近いものであるからと。また、映画のシークェンスも、さらにそのシーク
ェンスの事物までも実に詩的であるからだと。撮影された木は詩的ですし、撮影された人間の額も詩的です。なぜ
なら、それらの物理的存在がそれ自身詩的なものであり、一つの表出であり、神秘にみちており、あいまいさに溢
れており、多面の価値を意味するものであり、また一本の木すらが言語体系における一つの記号だからです。しか
し、だれが木によって語るのでしょうか。それは神、または現実それ自身です。だから、一つの記号としての木
は、われわれを神秘的な語り手とコミュニケートするようにさせるのです。だから、事物を物理的にただ素直に再
生する映画は、本質的に詩的なのです。このことは、歴史以前の問題というか、ほとんど映画以前の問題に属す
るものです。
私たちが歴史的事実としての映画。コミュニケーションの手段としての映画などを持ったとき、はじ
めて、映画もまたあらゆるコミュニケーションのメディアと同じように、異った種類のものへと発展していくので
す。ちょうど文学が散文のための言語と韻文のための言語を持っているように、映画も持っています。私が言っ
ているのはこのことです。ですからこの場合は、映画が詩的な一形式であるがあるがゆえに本来的に詩的であるな
どということは忘れるべきです。くり返して言いますが、それはあくまでも歴史以前の、無形の、非自然的な問題
なのです。もっとも陳腐な西部劇や古い商業映画を見るようなときでも、もしそれを月並みでない見方で見るなら
ば、どんな映画にも、映画の物理的存在自体に本来的に備わっている夢的で詩的なものを発見しないではおかない
でしょう。しかし、このことはそのまま詩的映画だということにはなりません。詩的映画とは、詩人が一篇の詩
を書こうとするときに特別な技術を用いるのとちょうど同じように、特別な技術を用いた映画です。あなたが一冊
の詩の本を開くならば、あなたはたちまちそこに文体や、リズムなど一切を読みとれるでしょう。あなたは手段と
しての言語を見、また詩句の音節を認めるのです。ところで、映画の中にも、あなたが詩に見るものとまったく同
じものを見つけることができます。その文体を通して、つまりカメラの動きやモンタージュを通して見るのです。
ですから、映画を作るということは、詩人になることなのです。」

『パゾリーニとの対話』p185波多野哲朗訳、晶文社、1972.4より


/////////

國分功一郎『スピノザの方法』(みすず書房)刊行記念
スピノザの哲学原理

■2011年2月19日(土)18:30開演(18:00開場)

國分功一郎×千葉雅也

「この華奢でひ弱な体が、この輝く黒い眼をした卵形の浅黒い顔が、
どうしてこれほど大いなる生の活気に満ちた印象を与えるのだろう」
(ドゥルーズ『スピノザ――実践の哲学』)。
緻密かつ大胆にスピノザ哲学の原理へと迫る國分功一郎の『スピノザの方法』が
描き出すのも、その「方法」の弱々しさと力強さに他ならない。
思想の最前線で活躍する二人の集中討議。

◆プロフィール◆
國分功一郎(こくぶん・こういちろう)
1974年生。哲学。高崎経済大学講師。著書に『スピノザの方法』(みすず書房)。
訳書にガタリ『アンチ・オイディプス草稿』(みすず書房、千葉との共訳)、
デリダ『マルクスと息子たち』(岩波書店)、
ドゥルーズ『カントの批判哲学』(ちくま学芸文庫)ほか。
朝日出版社より2冊目の著書を、また『思想』にてドゥルーズ論連載を準備中。

千葉雅也(ちば・まさや)
1978年生。哲学、表象文化論。日本学術振興会特別研究員PD、
高崎経済大学非常勤講師、東京藝術大学非常勤講師。
訳書にガタリ『アンチ・オイディプス草稿』(みすず書房、國分との共訳)。
最新の論考は「インフラクリティーク序説」(『思想地図β』1号)。
東京大学に博士論文「動きすぎてはいけない
 ──ジル・ドゥルーズと哲学のエコノミー」(仮題)を提出予定。

☆場  所  ジュンク堂 新宿店 8Fカフェ
☆入 場 料  1,000円 (1ドリンク付き)
☆定  員  50名
☆予約受付は7Fレジカウンターにて、また電話ご予約も承ります。
ジュンク堂書店 新宿店 TEL 03-5363-1300
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by yojisekimoto | 2011-01-24 03:05 | スピノザ

フェルメール、スピノザ、リパ

a0024841_21195952.jpg

http://www.msz.co.jp/book/detail/07579.html
國分功一郎著『スピノザの方法』の表紙に採用されたフェルメール作品とスピノザとの関連記事
http://ulom.seesaa.net/pages/user/iphone/article?article_id=50866284


以下引用。
<白色光はスピノザにとっての永遠で無限の実体 ― つまり神=自然 ― の特徴を示すものであり、これに対して、光の波長に応じて分化した様々な色(紫、藍、青、緑、黄、橙、赤)はスピノザの言う有限様態 ― つまり個々の存在たち ― の特徴を示すものだとする。>

引用終わり。

黒は「物自体」ということになるかも知れない。

ちなみにスピノザ(距離的にはレンブラントの方が近くに住んでいたらしいが、フェルメールの方が生年没年が近く同時代的感性を共有していたと思われる)には『虹に関する代数的論断』Algebraic calculation of the rainbow という論考がある。

フェルメールには、晩年は寓意画で有名なリパの影響もある。
画力が衰えると寓意に頼る傾向があるかも知れない。どちらにせよ初期の作品は圧倒的だ。

以下、(wikiより)参考作品。
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正義の女神を思わせるが、こちらは明らかにキリスト教、プロテスタント的?な文脈にある。
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あまり評価されていない晩年の寓意画。下の作品を描いた16世紀の寓意画家であるリパの影響があるという。
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下は、リパ作画、尊厳の寓意。

参考:
http://studiahumanitatis.web.infoseek.co.jp/archive.html
哲学サイトリスト
http://emblem.libraries.psu.edu/Ripa/Images/ripatoc.htm
リパ イコノロギア
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by yojisekimoto | 2011-01-21 21:31 | スピノザ