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「永続博覧会計画」by Proudhon

遅ればせながら愛知万博へ行ってきました。
竹を使った日本のパビリオンに加えて、パーマカルチャーブースなどでNGOが頑張っていたのが印象的でした。
また、子供たちが水遊びをする施設も魅力的でした・・・。
こうしたイベントで毎回気になっている映像技術に関しては、NHKのスーパーハイビジョンはかなりよいと思いました。こうした技術を使いこなすには作り手の側にそれなりの色彩設計が必要とされますし、エイゼンシュテインがその立体映画論などで想定したようなすべての階級に開かれた内実を持つのはかなり先になりそうですが・・・

さて、愛知万博を見学する間中ずっと、僕は今から150年前の万博でプルードンが「永続(的)博覧会計画」(*)を提出したことを考えていました。
交換銀行及び人民銀行の計画がナポレオン三世の権力の元で無効となったあと、そんな中でもプルードンは状況を逆手に取り、さらなるオルタナティブ=新たな計画案を提出したのでした。
それは労働証券に近い計画であり、万博で生産者が自らの生産物を原資として登録し、利子なしで独立自営業者たちが信用と流通網を築こうとするものです。
万博に対する歴史的な反応として、ドストエフスキー、福沢諭吉、の対極の反応がありますし、モリス、クールベの対応も興味深いのですが、プルードンのそれは帝国主義的圧政に対して「敵の歌を歌う」ことで対抗した、実に魅力的な案です。しかし、この案もまた実現することはありませんでした。

プルードンが当時の「産業封建制」を憂慮した状況は現在にも当てはまると思います。

プルードンの提出した計画を考えながら、というよりも万博で築いた人と人とのつながりを、一過性のものにするのはもったいないなと考えながら、愛知万博の会場を後にしたのでした。

(*藤田勝次郎さんの著書『プルードンと現代』の訳では「常設展示協会計画」、Societe de exposition perpetualle:projit)。
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by yojisekimoto | 2005-09-23 05:28 | プルードン