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坂本龍馬と3要素

2009.3.28長池講義で話題になった幕末のイデオロギーのための戦いの例として(名前の挙がっていた)楠木正成を意識していた坂本龍馬を挙げるといいと思う。
ただし、龍馬は産業民主主義を志向したのであって、イデオロギーに殉じたわけではない。
「万国公法」を翻訳しようとした龍馬は韓非子、法家の系譜にあるが、それら法律はあくまで平等で自由な交易を保証するものとしてあるのだ。

様々な芸能作品として表れる龍馬への評価基準がこの場合、同じく日本の産業民主主義の成熟をはかる規準となる。
歴史的に見ると民主化から私化へ移行する傾向は、自律化、この場合は産業民主主義が欠けているということだ。

そこで丸山と柄谷の図を合わせて以下の図が描ける。

     |
ステート |ネーション
原子化  | 民主化
=象徴界 | =想像界
_____|_______
     |
キャピタル|アソシエーション 
私化   | 自立化
=現実界 | 
     |
     |

ラカンの言うように想像界の欠損を象徴界で埋めるわけにはいかない。同じことが別の領域同士でも言える。
産業帝国主義には政治的民主主義では対抗できず、産業民主主義で対抗するしかないということでもある。
問題はアソシエーション=自立化(I)をどう積極的に定義するかだが、これは多の三要素の同時的把握以外にあり得ない。

     |
ステート |ネーション
原子化A  | 民主化 D
=象徴界 | =想像界
_____|_______
     |   | 
キャピタル| A  | D
私化 P  |___|___ 
=現実界 |   |A |D
     | P  |_|_
     |   |P |

先進国内の第三世界化が指摘される現在、ヘゲモニー論は意味がない(国連改革もアジアとアラブとアフリカ、それぞれの自立が重要になる)。
また、いかに自給自足的循環型社会をつくるかが鍵であろうし、製造業から金融への移行という資本主義システムの反復(byアリギ)を自覚的に逆回転する必要があると思う。
3要素の並立はその自給自足型社会の必要条件でもある。

これらはアンチノミーが揚棄されないという系列的思考が前提になる。
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by yojisekimoto | 2009-03-29 18:45 | 歴史

カテゴリーと投球カウント

野村監督が野球のカウントの種類は12個あると言っていたが、これはカントのカテゴリーと同じ数だ。
(アウトカウントを無視すれば)どちらも4×3個あるのだ。

先のWBCのイチローの決勝打の打席は全部で8球。カウント数は(0-0を入れれば)5種類。ファールで粘れば2ストライク以上は動かない。

カウントは同じでも質が全く異なる。イチローは粘ることで投球を打者に有利な方向へ導いて行った。一球一球、質というよりも様相の変化がみられたといえるだろう。

http://www.youtube.com/watch?v=KzZMotE-0i4
2009.3.24 WBC決勝 10回表 イチロー、値千金の決勝タイムリー
http://live.sports.yahoo.co.jp/wbclive/20090324/2009032461_10t05.html

投手イム・チャンオン 2アウトランナー1、3塁
●1 ストレート151km/h外角高目ボール 0 1 2
●2 ストレート151km/h内角低目見逃しストライク[岩村盗塁成功] 1 1 2
●3 ストレート149?or153?km/h外角真中ファール 2 1 2
●4 ストレート154km/h真中低目ファール 2 1 2
▼5 シンカー140km/h真中低目ファール 2 1 2
●6 ストレート150km/h真中高目ファール[高めのつり球] 2 1 2
●7 ストレート151km/h外角真中ボール 2 2 2
▼8 シンカー137km/h真中ヒット(中堅手ライナー)2 2 2


追記:
1980年代にはじまった韓国プロ野球は日本の約三倍のスピードで進化している。これは亜周辺の特権だろう。エリート主義という弊害はあるが、人材を教育することでアメリカに対抗する姿勢は正しいと思う。願わくばアジアシリーズの覇者がワールドシリーズの覇者と対戦するシステムが構築されることを願うばかりだ。
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by yojisekimoto | 2009-03-25 02:24 | スポーツ

WBC

チャップマン(レノン)
オズワルト(ケネディ)
重根(伊藤博文)

相手投手にいわく付きの名前が続いて話題になったが、伊藤を殺すことで強硬派を逆に許すことになったのは歴史の皮肉だ。

どちらにせよ今日は暴力の連鎖ではなく、スポーツが政治を超えた共通言語、ルールをつくっていることを喜びたい。
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by yojisekimoto | 2009-03-23 22:16 | 歴史

カントと建築(「カント図解:別バージョン」を改題)

中島義道 著『カントの人間学』(講談社現代新書 )で、カントが自宅の窓から見られる教会が隠れるからポプラの枝を切ってくれと言ったというエピソードが紹介されています。

その後『カントその生涯と思想』(グリガ著、法政大学出版p206)および『カントその人と生涯』(創元社p261)を調べたところカントが窓から見ていた教会はレーベニヒト教会(画像)だということがわかりました(『カントの人間学』にでてくる教会名は間違い)。第二次大戦による損壊で現在は存在していないようです。

a0024841_1491254.jpg
a0024841_148152.jpga0024841_14191662.jpg



第一批判でも「建築術」といった記述がありますから、カントの言う美は建築的=構造的なもののような気がします。

下の絵にある手前左の小さな家がカントの初期の家です。プロテスタント的慎ましさがうかがわれます。
a0024841_14163139.jpg


http://www.hkbu.edu.hk/~ppp/Kant_gallery.html
http://www.hkbu.edu.hk/~ppp/K1tools.html

(弁証法においては裁判のモデルが該当するが)教会の構造がカント哲学と呼応するような気が、、、

「例えば一軒の家屋の経験的直観を、この直観において与えられた多用なものを覚知することによって知覚する場合には、空間と外的直観との必然的統一が、私のかかる知覚作用の根底に存する、そして私は、空間における多様なもののかかる総合的統一に従って、この家屋の形態をいわば描く訳である。」純理b162

「私の言う建築術とは、学的体系を構成する技術のことである。」純理b860



参考:


カント形而上学全体系計画          
|(『純粋理性批判』先験的方法論建築術より
|  経験的心理学等の応用哲学は除外)     
|                               
|<先験的哲学>                     
|――――存在論{予備学としての批判=(『純粋理性批判』
|       |          『実践理性批判』
|       |          『判断力批判』)、形式的、=論理学?
|       |――(自然の形而上学、思弁的、存在するもの         
|       └――道徳の形而上学、実践的、存在すべきもの)、実質的}  

|<純粋理性の自然学>      
|(内在的)                        
| ┌ーーー理性的自然学ーーー理性的物理学、=遺稿?       
└―|          └― 理性的心理学             
  └ーーー┌理性的宇宙論               
 (超越的)└理性的神学=『理性の限界内における宗教』? 


    ┌――― 空間
  ┌―┤感性論
  | └―――時間
  |   
  |            ┌―手引き、判断表、範疇表
 ┌┤原理論 ┌――――概念―┤
 || ┌――┤       └―演繹、演繹一般、先験的演繹
 || |  |分析論       
純|| |  |       ┌―図式論
粋|| |  └――――原則―┤―原則の体系
理┤| |          └―現象と可想
性|└―┤論理学  
批|  |  ┌――――理性批判、理性一般、先験的理念、先験的理念の体系
判|  |  |
 |  └――┤弁証論       
 |     |          ┌――誤謬推理、霊魂、心理学、宇宙論へ
 |     └――――弁証的推理―┤――二律背反、宇宙論的、矛盾、経験的
 |                └――理想
 |   
 |┌―――――――――訓練
 ||―――――――――規準、究極目的(不死、神、自由)、最高善、信
 └┤ 方法論
  |―――――――――建築術(全体系計画)
  └―――――――――歴史

               ┌―定理1-4(根拠表)
       ┌――――原則―┤―演繹
       |       └―権能
  ┌――――┤分析論
  |    |――――概念(範疇表)――範型論
  |    |
実 |    └――――動機――解明
践┌┤原理論
理||    ┌――――理性一般の弁証論
性┤|    |       
批|└――――┤弁証論       
判|     |             ┌―二律背反,徳と幸福
 |     └――――最高善の概念規定―┤
 |                   └―(不死×,神×,自由の要請○)
 |
 └――方法論 (結び:宇宙/道徳的法則一般大衆と学的研究)

       ┌―――― 美
  ┌――――┤分析論
  |    |―――― 崇高
  |    |   
 ┌┤美学  └――――演繹
判||            
断||―――――弁証論――二律背反 (概念/)       
力┤|            
批|└―――――方法論なし       
判|               
 |┌―――――分析論(規定/反省)       
 └┤目的論 
  |―――――弁証論――二律背反 (機械論/)       
  |            
  └―――――方法論


    (ロック)
     経験論  バークレー
      |   ヒューム
実在論___|___観念論
(スピノザ)|  (カント?)デカルト
      |   アリストテレス
プラトン 合理論  ハイデガー
    (ライプニッツ)



        |
 実在論    |  経験論
 (スピノザ) |  (ロック)
________|________
 合理論    |  観念論
(ライプニッツ)|  (カント?)
        |

追記:
以下、三批判書と主要概念の相関関係図。

           『純粋理性批判』
               /\
              /図式\
             / 構想力\
  感性________/______\________悟性
    \  現象  量        質  仮象  /
     \    /          \ 経験 /  
      \  /            \範疇/    
       \/              \/
       /\              /\  
      /自由\            /  \
     /道徳法則\          / 判断力\
  『実践理性批判』_関係______様相__『判断力批判』
            \ 二律背反 /      
             \ 物自体/
              \  /
               \/
               理性
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by yojisekimoto | 2009-03-07 12:59 | カント