先日、岡田日本サッカー代表監督が自チームをハエに喩えてひんしゅくを買ったが、蜂の
方が聞こえはよかったに違いない。
『青い鳥』で有名なメーテルリンクは養蜂家でもあり、『蜜蜂の生活』(邦訳、工作舎)
という蜜蜂の観察録を残している。
これは蜜蜂の持つ知性の証明に尽力した本で、様々な文献を駆使していて、そのなかにハ
エとの比較もある。
液体のなかで死んでしまう蜜蜂と、注意深いハエとを比較した文章(101頁)を紹介し
ているのだが、メーテルリンクは自分の死を畏れない蜜蜂を人間とは違った価値観を持っ
た知性の持ち主として賞讃している。
以下の文章などは日本代表サッカーチームのメンバーに相応しい。
「蜜蜂は生涯の最も危険な日の冒険に備えて心構えをしておくことを知っている。」
(『蜜蜂の生活』邦訳44頁)