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書評:『美術論集』 (ゾラ・セレクション)

書評:
美術論集 (ゾラ・セレクション)
エミール ゾラ 藤原書店(2010年7月16日)

冒頭のプルードン批判(「プルードンとクールベ」1865)が重要だ。
ただしとりたてて内容はない。ゾラはプルードンがクールベを論じた『芸術の原理とその使命について』を、「読まなくとも‥わかる」と言うが、それなら読まなければいいのだ。
これはワルラス、マルクスに続くプルードン欠席裁判の一例である。
ゾラの動機は単純で、プルードンの文筆家の位置に自分が納まりたいのである。
ただし、ゾラはプルードンのそれを批判する以上に自分が一面的だから例えばセザンヌとの共闘はできなかった。
プルードンは『芸術の原理とその使命について』が未邦訳だから検証は困難だが、資本国家国民の三位一体に意識的だったから全体的な視野を持っており、それがクールベとの共闘を可能にしたのである。
ゾラを全体的に捉える必要は依然あるが、それは映画『ゾラの生涯』などを見るのが良いと思う。
by yojisekimoto | 2010-12-05 18:41 | プルードン


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