「悪魔のように細心に、天使のように大胆に」
これは、黒澤明が仕事をする上でモットーとしていた有名な言葉だ。
なぜこの言葉を紹介するのかといえば、今開催中のトリノオリンピックの日本人選手に伝えたい言葉だからだ。
日本人選手には、天使と悪魔というようなメリハリが欠けているような気がする。残念ながらその潜在能力を活かしきっていないのだ。
オリンピックに参加することだけでも立派なことだとは思うが・・・
言うまでもないが、大胆なプレーの前には悪魔のような細心の注意に基づく準備が必要なのだ。
ところで、プレッシャーのかかった選手たちの気分転換のために、選手村で黒澤映画の上映会でもやればよいと思う。
僕のオススメは『乱』だけれども、雪の中の決闘シーンがある『続姿三四郎』はどうだろうか?
市川昆が監督した『東京オリンピック』も、当初は黒澤が監督する予定だった。複数のカメラを駆使した黒澤のスタイルは、スポーツ中継では御なじみだが、技術の進んだ現在でもいまだに誰も黒澤のようには使いこなしていない・・・。
黒澤映画全体がそうだが、黒澤の複数カメラ方式こそはまさに「悪魔のように細心に、天使のように大胆に」という言葉を体現するスタイルだったと思う。