カントのカテゴリーとアンチノミー


カントのカテゴリーとアンチノミーを図解してみました。
以下メモです。

カテゴリー(第一)
量(単一性、多数性、全体性)
質(実在性、否定性、限界性)
関係(実体性、因果性、相互性)
様態(可能性、現実存在、必然性)
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カテゴリー表のもとになった判断表は以下、
 量 →全称的(すべての〜は−である)
    特称的(幾つかの〜は−である)
    単称的(一つの〜は−である)
 質 →肯定的(〜である)
    否定的(〜でない)
    無限的(〜は非−である→註)
 関係→定言的(〜である)
    仮言的(〜ならば、−である)
    選言的(〜か−である)
 様相→蓋然的(〜かもしれない)
    実全的(〜である)
    確定的(〜であるに違いない)

上記カテゴリーに、実践理性批判における自由のカテゴリーと判断力批判における趣味のカテゴリーとを合わせると、
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自由のカテゴリーは、

量(1) 格率にしたがった主観的な個人の意思 (=格率)
(2) 原理にしたがった客観的な指令 (=原理)
(3) アプリオリに客観的かつ主観的な自由の原理=法則 →参照:『道徳形而上学原論』
質(1) 作為の実践的規則
(2) 不作為の実践的規則
(3) 例外の実践的規則
関係(1) 人格性に向けられた自由
(2) 人格の状態に向けられた自由
(3) ある人格から他の人格に相互的に向けられた自由
様相(1) 許可と不許可
(2) 義務と反義務
(3) 完全義務と不完全義務

判断力批判におけるカテゴリーは表になっていない。また質と量の記述順が逆。

アンチノミーもカテゴリーの分類に沿っており、

第一のアンチノミー
・テーゼ・・・・・・・・世界は時間・空間的に有限である。
・アンチテーゼ・・ 世界は時間・空間的に無限である。

第二のアンチノミー
・テーゼ・・・・・・・・世界における合成された物は、それ以上分割できない単純なエレメントからなる。
・アンチテーゼ・・ 世界には単純なエレメントは存在しない。 空間は無限に分割できる。

第三のアンチノミー
・テーゼ・・・・・・・・世界には絶対的なはじめとしての自由がある。
・アンチテーゼ・・ 世界における出来事はすべて自然必然の法則、すなわち自然因果の法則によって起こる。 自由は存在しない。

第四のアンチノミー
・テーゼ・・・・・・・・世界の因果の鎖の中には絶対的必然的存在者がいる。
・アンチテーゼ・・ 世界の因果の鎖の中には絶対的必然的存在者はいない。

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テーゼ/アンチテーゼを哲学者に対応させると 、

1、キリスト教(世界に始めがある)/アリストテレス(世界は無限)
2、ライプニッツ(分割可能)/老子(分割不可能)
3、ヒューム(自由あり、非決定論)/スピノザ(自由なし、決定論)
4、スピノザ(必然性あり)/ヒューム(必然性なし)

(1は世界の名著アリストテレス月報、2は『カントはこう考えた』p133、3は『トランスクリティーク』p175を参照のこと)。
なお、「量」は単数から全称性までを扱うから「+」、質は否定を含みかつ本質を引き算で考えるので「−」、「関係」は複数のものを同時に扱うので「×」、「様相」は確率を扱うので「÷」、と書くと全部で4つのカテゴリーの十全性が実感できるかも知れない。


http://w1.oekakies.com/p/nams/p.cgi
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参考:↓(永井ドットコムより)
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by yojisekimoto | 2006-08-29 20:03


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