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『帝国への挑戦』その後

ちょうど去年の今頃、自由放送というMLグループで『世界社会フォーラム:帝国への挑戦』の読書会を行ったが、その時、気になっていたアダモフスキという人の『反資本主義入門』という本が出版されたようだ。
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-7503-2671-9.html
以下、去年のレジュメです。

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2006年12月16日読書会レジュメ   関本洋司担当分


「何がポルトアレグレのポイントか?」(p179-186)

アダモフスキー「新しく中心になるようなものを作り出すより、今あるネットワークを援助する方がいい」(p183)
ジョージ「いったいどうすれば現存するネットワークを手助けできるのか」(p184)
アダモフスキー「われわれは皆(中略)自己決定のできる世界を創造する、というゴールを目指している」(p184)
ジョージ「私は、厄介ごとを取り除こうとする取り組みに的を絞っているのです」(p185)

#中央集権化への懸念と具体案


スーザン・ジョージ
『なぜ世界の半分が飢えるのか—食糧危機の構造』(朝日選書)など

エセキエル・アダモフスキー
以下のネット記事参照。

http://www.diplo.jp/articles06/0608-3.html
http://www.monde-diplomatique.fr/2006/08/HALIMI/13743

「(略)アルゼンチンから来たエセキエル・アダモフスキーは、2001年12月にブエノスアイレスで起きた民衆蜂起に参加していた。彼がその時に得た教訓はこうだ。「国の政策とまったく関わりをもとうとしない運動は、社会の大多数との関係を打ち立てることができない。我々の提案は好ましいもの、実現可能なものとは見てもらえない。抑圧の組織化をもたらす規則や機構は、社会生活の組織化をもたらすものでもある」。だから彼の意見では、「君たちは何を提案するのか」という問いへの答えを用意すること、貧困と人種差別が現に存在し、それはよくないことだと繰り返すだけに終わらないこと、現行システムに対する勝利の可能性を示唆できることも大事だが、混乱から自ずと秩序が出現するなどという考えを捨てることも重要だ。自分たちが提案している事柄をどのようにして誰が引き受けていくのかを、はっきりさせる必要がある。政党は間違いなく社会運動を傘下に収め、そのピラミッド型の権威主義的な価値観を押し付けようとするだろうが、反対側には「組織性の欠如という猛威」が待ち受けていることを忘れてはならない。
(以下略)」
(ル・モンド・ディプロマティーク日本語・電子版2006年8月号)

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「前衛主義のたそがれ」(p368-377)

(1)マルクス主義は、革命戦略についての理論的あるいは分析的言説となる傾向があった。
(2)アナーキズムは、革命的実践についての倫理的言説となる傾向があった。 (p371)

#マルクス主義とアナーキズムの相補的関係の整理。
#前衛主義の二重性。アートと人類学に着目。


デイビッド・グレーバー
アクティヴィスト。上記は『アナーキスト人類学のための断章』(以文社、2006.11,p40)と内容が重なる。2006年に来日。



追記
意識的に対処しないとスケールフリー化するネット社会(バラバシ『新ネットワーク思考』参照)。

ジジェクのポルトアレグレ批判、「VIP席が出現していた」(『人権と国家—世界の本質をめぐる考祭』参照)。

『帝国への挑戦』その後_a0024841_1262393.jpg

by yojisekimoto | 2007-11-24 01:26


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