プルードンとクールベ

クールベによるプルードン関連の作品をご紹介します。mixiフォトアルバムから転載いたしました。
プルードンとクールベは同郷で、二月革命の時期には共闘と言える関係を結びます。プルードンには有名なクールベ論があり、一方クルーベは絵を見ればわかるようにプルードンを私淑していました。
最近『at』(vol.10)に載った論考などには誤解を招く記述がありますが、その歴史観にも関わらず、プルードンのクールベ論は、クールベという固有名にパラドックスを見ている点でクールベ個人を捨象したものではないということを付記しておきます。

1853年のプルードン↓
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「画家のアトリエ」
解説:裸婦から右に三番目の正面を向いた男性がプルードンです。追記:『画家のアトリエ』の左側に座っている、「猟師」はナポレオン三世がモデルと言われています。
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1865年の肖像画
参考:
http://www.the-athenaeum.org/art/detail.php?ID=7266
Owner/Location: Musee d'Orsay (France)
Dates: 1865
Dimensions: None listed
Medium: Painting - oil on canvas
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プルードン夫人の肖像  
Portrait de Madame Euphrasie Proudhon
1865 油彩・カンヴァス 73x59cm 仏・パリ、オルセー美術館 Musee d'Orsay, Paris
参考サイト:http://www.ne.jp/asahi/art.barbizon/y.ide/3MYEXH4.HTM 以下引用。
「モデルはクールベの故郷の先輩で同年没した哲学者のP.J.プルードンの妻ウーフラジー。 クールベはこの肖像画において、モデルを悲運の哲学者に連れ添い疲れ果てた未亡人、また子供に次々と先立たれてしまう不幸な母親とは現実的に描かずに、美しい襞の帽子を被らせて微笑ませ、彼女に精一杯の同情心を見せている。」
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死の床でのプルードン
Proudhon sur son lit de mort
1868年 21×21cm
リトグラフ
クールベ美術館蔵
解説:
「このデッサンは消失してしまった。クールベが1868年にカルジャの写真から制作したリトグラフが残っているだけである。カルジャの写真は『ラ・リュ』という政治色の強い新聞に掲載されていた筈だが、発禁になってしまった。偉大なる哲学者でクールベの友人、1809年2月にブザンソンで生まれ、「所有は盗みである」という有名な格言を残したプルードンは、1865年1月20日に世を去った。クールベは彼の死んだ日に、「我々を襲った救いのない不幸に打ちひしがれた私は、私の親友であり、19世紀を代表する人物の肖像画を描きたい・・・」と書いている。彼はこの哲学者の単身像と二人の娘と一緒にいる肖像画を制作している。クールベは「彼はこの時代の賢者であり、そして天才の名にふさわしい人物である」とも書いている。(TN )」2001年、クールベ展図録より
(このリトグラフは、2001〜2年のクールベ展で日本で展示されたが、2005年のクールベ展には来ていない。)

「臨終の床にあるプルードン」はジュール・ヴァレスの主催する「街角で」という新聞に掲載される予定であったが、政府の干渉によって禁止されている。(近藤昭『クールベ』p91,岩崎美術社)
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番外編:「セーヌ河畔の娘たち」(1857年度作品。この作品に対して、プルードンの有名な論評がある)
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阿部良雄の『クールベ』(新潮社美術文庫)、坂崎担の『クールベ』、カシュニッツの『ギュスターヴ・クールベ』、などはプルードンへのブルジョア的な偏見が満ち満ちていて、ブルジョア側の理解度の低さが今日でもうかがわれる。
坂崎の岩波新書版『クールベ』には巻末にプルードンの論考の翻訳が掲載されているが、原著の情報がないので原著は未確認である。
推薦できるのは、近藤昭『クールベ』、ジェームズ・H. ルービンの図版が充実した『クールベ』だ。特に近藤昭の論考は革命に関する歴史的な理解があり素晴らしい。ジェームズ・H. ルービンには未邦訳だが、プルードンとクールベの関係に特化した本があり邦訳が待たれる。


追記:
カシュニッツ(p.95)によればゾラはプルードンのクールベ論を合理主義的な計画経済的?なものとして批判したという。刊行中の『ゾラ・コレクション』で未刊行の「美術評論9」に所収されることを願う。
それにしてもプルードンは右からも左からも批判されていてややこしい、、、
(個人主義及び自由主義の立場からは、ゾラ、ワルラス、シュティルナー、計画経済?からはマルクスなどからの批判がある。)

参考サイト:
クールベ画像リスト。画像一つ一つは小さいですが、収録数は最大級の充実振りです
http://www.the-athenaeum.org/art/by_artist.php?id=347

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by yojisekimoto | 2008-02-20 17:02 | プルードン


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