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エヴァ、ゲゼルの世界通貨案

エヴァと言ってもアニメではなく、ゲゼルのもう一つの代替案、世界通貨のことである。
以下、ゲゼル著相田慎一訳『自然的経済秩序』(ぱる出版p534)より

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「エヴァ」紙幣による国際的交換比率の安定化。貯水池の黒点部分は国民紙幣を示している。それに対し、その斜線部分は「エヴァ」紙幣を示している。

図5の説明 振動が起こった後に連結管の水が自動的に同じ水位に戻ろうとする傾向があるように、国際通貨制度の撹乱が生じた場合、自国の国民通貨を「エヴァ」国際銀行券に連結させている国々の商品価格の全般的水準は、いたる所で同一の水準にとどまろうとするか、またはその撹乱の終焉後自動的にその水準に戻ろうとする傾向がある。もちろん、それは、このようなすべての国で国民的通貨政策が絶対通貨の上に基礎づけられているかぎりにおいてのことであるが。
 もしこれらの国のひとつが絶対通貨の原理を放棄し、しかも危険信号一ー国際(ヴァルタ)銀行券の輸出入一ーに注意を払わなかったならば、その国は国際銀行券で溢れるか(合衆国)、または国際(ヴァルタ)銀行券が完全に国外流出する(イギリス)という事態が生じるだろう。だが、国際(ヴァルタ)銀行券の氾濫は、当該国の利益にはならない。なぜなら、国際(ヴァルタ)銀行券の溢れた国は、この国際(ヴァルタ)銀行券の代わりに発行されるだろう国民通貨の利子を失うからである。また国際(ヴァルタ)銀行券の完全な駆逐も、その結果生まれるだろう不快な打歩が外国貿易に損害を与えるという理由から、当該国に歓迎されないだろう。ドイツと記された容器は通常の状態を示している。国際(ヴァルタ)銀行券の流入を示す下の湾曲部ーー小売取引ーーが半分ほど満たされている。それは、より多くの国際(ヴァルタ)銀行券を受け入れる余地をもつと同時に、多くの国際(ヴァルタ)銀行券を譲渡できる状態を示すものでもある。それに対し、「ロシア」と記された容器の中は国際(ヴアルタ)銀行券で満杯の状態になっている。国民通貨を強力に注入すれば、この過剰はただちに一掃される。逆にイギリスでは、国民通貨の過剰が解消されるならば、国際(ヴァルタ)銀行券の逆流によって打歩がただちに解消されるだろう。
 この過程をより明確に認識するために、読者は前章の「為替理論家」の節とそこでの貿易収支にかんする図4(分度器のような図だが省略:引用者)の説明をも参照されたい。
                      
(略)
            
(4)こうした五フラン銀行券の異常な流入は、自国の国民通貨の流通が過少であることの証拠となるだろう。逆に、こうした五フラン銀行券の異常な流出は、自国の国民通貨の流通が過剰であることの証拠となるだろう。
(5)こうした国際的な五フラン銀行券の大規模な国外流出とその結果としての打歩(国際的な五フラン銀行券のプレミア)の発生は、打歩が消滅し国際的な五フラン銀行券が再び国内に流入するまでの期間、当該国が自国の国民通貨を国内の貨幣市場から排出させることの必要性を示す危険信号となる。
(6)逆に、こうした国際的な五フラン銀行券の異常を国内流入は、自国の国民通貨の流通が過少であることの証拠である。−そのことは、その他の国々が自国の国民通貨の大量の発行によって国際的な五フラン銀行券を国外に駆逐していないことを前提とする。この後者の前提から本来の通貨間題が生まれるけれども、その間題を為替問題と混同してはならない。ーー

われわれは次の章において通貨制度と為替の両者を規制する世界通貨同盟(国際ヴァルタ同盟)についてのわれわれの提案の要旨を示すことにしよう。

第7章 世界通貨同盟(国際ヴァルタ同盟)

(1)世界通貨同盟(国際ヴァルタ同盟「エヴァ」)への加入を希望する国々には、通貨単位としての「エヴア」が導入される。
(2)この新しい通貨単位「エヴァ」は、何らかのひとつの物質(金)の特性の所産のように静態的に理解されてはならず、むしろ通貨政策のような継続的行為の所産として(つまり、実践として)動態的に理解されるべきである。

(以下略)

以上、ゲゼルの国際通貨はユーロよりも柔軟で、なおかつ世界的広がりを持ちうるものと解釈できる。アジアのバスケット型の危機管理に近いかも知れないが、それよりもより明確である。

追記:
1944年ケインズが提案したバンコールもエヴァに近いものだった。
(ただし、いきなり統一通貨ではなく、まず、アジア,アラブ、欧州、北南米でそれぞれの通貨が必要だろうが。)

参考:
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=190764
http://philosopher.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_49cf.html

by yojisekimoto | 2008-09-24 09:04 | 地域通貨


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