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ゲーデルとライプニッツ

ゲーデルの不完全定理の解説で一番解りやすいのは僕の知る限り、『はじめての現代数学』(瀬山士郎著)のそれだった。
以下引用です。

            内容
   | 1,  2,   ・・・,  n,   ・・・
___|____________________
f1(y)|f1(1) f1(2) ・・・ f1(n)  ・・・
f2(y)|f2(1) f2(2) ・・・ f2(n)  ・・・   
・  |・   ・    ・   ・
・  |・   ・     ・  ・
・  |・   ・      ・ ・
fn(y)|fn(1) fn(2) ・・・ fn(n)   ・・・
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 ¬は否定だから最後につけ加えればよいから、ヨxP(x,n,n)について考えてみよう。これは、「ゲーデル数がnである一変数 y を含む命題(すなわちfn(y) )の変数 y に数nを代入した命題の形式証明のゲーデル数となる x が存在する」という内容を持ち、したがって¬∃xP(x,n,n)はこれの否定、すなわち繰り返しを嫌わずに書けば「ゲーデル数がnである一変数 y を含む命題の変数yに数nを代入した命題の形式証明のゲーデル数となる x が存在しない」となる。
 ところが、ゲーデル数nを持つ一変数を持つ一変数yを含む命題とは fn(y)のことであり、fn(y)とはすなわち¬ヨxP(x,y,y)であった。すなわち上の文章を簡単に書けば,「¬∃xP(x,n,n)の形式証明は存在しない」ということで「¬∃xP(x,n,n)は証明できない」ということになる。ところが、この「 」内の命題こそ¬∃xP(x,n,n)に他ならない!
 ついにわれわれは「この命題は証明できない」のきちんとした数学的表現を入手すること
に成功したのである。


(略)
 ここで用いられた論法が一種の対角線論法であることに十分注意を払ってもらいたい。一変数の命題をすべて一列に並べ、f1(y) ,f2(y) ,・・・とし f1(1) , f1(2) ,・・・f n(n),・・・を考察するというのはまさしく対角線論法そのものである。カントールによって集合の階層構造を引き出すために考案された一線論法は,集合論内のパラドックスと絡まりあいながら、ゲーデルによる決定不能命題の発見という20世紀数最高の結果の一つを生み出すにいたったのである。

(以上、『はじめての現代数学』瀬山士郎著、講談社現代新書p161-163より。早川文庫より復刊)

瀬山氏は対角線論法の後に不完全性定理のもうひとつの肝であるゲーデル数(ゲーデルによる素因数分解を使ったコード化)について説明している。

本題は、(瀬山氏も触れいてないのだが)このゲーデル数のアイデアがライプニッツの結合法論そのものであるということだ。

これはあまり言及されないが、もっと知られていい。

ゲーデルは生前,ライプニッツ研究ばかりしている時期があって友人のエルデシュに怒られたこともあるようだが(「君が学者になったのは皆が君の研究をするためであって、君がライプニッツの研究をするためではない」)、ゲーデルの功績は先人の研究を受け継いだものでもあったのだ。

カントール(対角線論法)×ライプニッツ(結合法論)=ゲーデル(不完全性定理)

ということになるだろうか。
by yojisekimoto | 2009-10-22 11:32 | ライプニッツ


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