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ライプニッツの可能世界

可能世界はライプニッツが考案したものであり(『弁神論』のラスト)、世界が基本的な最
小限の論理で成り立っていることと、その論理の重要性が確認されることが主眼になります
(『弁神論』へはアガンベンの批判があるが)。

浅田彰も指摘していますが(オウム事件をめぐる中沢新一との対談)、論理不在のサブカル
における可能世界論は可能性と潜在性と混同することで返って潜在性を隠蔽する結果になっ
ていると思います。

柄谷行人がライプニッツよりスピノザの可能性を重視したのは(探究2)、そうした楽天論へ
の批判があるということでしょう。

クリプキ、ラッセルとライプニッツを批判していることが誤解を生んでいますが、彼らの基本
アイデアはライプニッツのものであることが見直されるべきです。
アリストテレスの可能性を近代に開いたのはライプニッツですが、その「可能性」は未だ潜在
性として留まっていると言わざるを得ません。

参考:

ライプニッツは『自然法の諸要素(自然の法則の説明原理?)』で様相の諸形象を次の図にまとめている。

可能的なもの|             |することができる  |
不可能なもの \ とは存在      / することができない  \ 何かである
必然的なもの /(ないし真として存在)\ しないことができない /
偶然的なもの|             |しないことができる |

Possibile  |         |potest     |
Impossibile \ est quicquid  /non potest   \ fieri
Necessarium /        \ non potest non / ( seu quod verum esse)
Contingens |         |potest non  | 

(アガンベン『バートルビー』58、89頁、Cf. A VI, 1, 466より)

古代から第4の偶然性が問題となって来たが、スコトゥスも言うようにこの(第1と第4の共存という)矛盾は潜勢力の保存を妨げない。
カントは第2を第1に従属させ、潜在性の問題は様相のカテゴリーではなく(否定も含めて)質のカテゴリーに入れた。
by yojisekimoto | 2010-01-22 21:16 | ライプニッツ


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