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ライプニッツの法学

ライプニッツは初期の法学論文で係争案件の籤引きによる解決を否定しているらしい(『ライプニッツの普遍計画』44頁)。

ライプニッツは法学を幾何学になぞらえ、籤引きや裁定者の個人的見解等による解決ではなく、法の中に解決があるとした(後年の法学は『弁神論』に近くなる)。

該当論文であるDisputatio De Casibus Perplexis in Jure(「法律に於ける紛糾せる事例」)の扉には、以下の図版が掲載され、フランシス・イエイツは『記憶術』の一種として指摘している。




                   アエネイス第五巻 岩波上320頁〜
sequendi Falleret indeprensus,     Ut quondam Creta fertur labyrinthus in alta:
et irremeabilis error.590        Parietibus textum
「出口もわからず帰る道、      「そのさまたとえばその昔、  
  さえも知られぬ迷い地に、          由々しき島のクレータの、               
   無益(むやく)と                 ラビュリントスがその内に、 
    なるというごとく、」   A                の壁が織り上げる、」
               anterior(事前)
               hypotheca『暗黙の了解の契約』(停止された住宅ローン)
                 tacita
              (建設途中の家) (都市、壁の中の迷宮) 
          (自然) 3   条   ter frustra comprensa (PER)manus effugit imago.701       
  <千年の、時の輪    件     件 <三たび空しく腕はずれ>アエネイス第六巻  岩波上p406          
  がめぐったその時に> 条       1
ubi mille rotam (CONTRA) (秤) (手形) 
volvere per annos, 748     条 件 2                    
アエネイス第六巻  posterior(事後)     intermedia
岩波上p410  dos 『究極、後世』(贈り物) Hypotheca 『すばやい仮の中間』
              (秤) (手形) expressa (提示された住宅ローン)
               positionem
               条 件 2
           C             B    
       del mihi se f?(adZoilum) mci ed cu widones?
              <変身物語?>
                (蛇)
           caecis iter, ancipitemque Mille viis habuisse dolum, qua signa
          「網のような道すじの、無数のために人びとを、
            惑わす詐術を打ち払い、
             足跡綴ってそのあとを、しるす糸さえかしこでは、」


(三角内の構成=「暗黙→媒介→究極」は見れば見るほどヘーゲル=「意識→対他→絶対精神」に似ている。)
旧稿:http://nam-students.blogspot.com/2010/01/blog-post_28.html

それにしても以下は判読できない。どなたか読めませんか?
ライプニッツの法学_a0024841_5181633.jpg
by yojisekimoto | 2010-02-03 19:49 | ライプニッツ


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